オーストラリアに住む32歳のジャネル・シルバーは2014年のクリスマス、ソファーの上であることを思いついた。何かしらの不安を抱え、鬱っぽさを感じる自分自身や周りの友人、そして同じような思いを抱く人々のために、愛と支えを与えられるような「小さな何か」を作ろうと。そうして生まれたのが、12ページのセルフケア・ジン『SELF-CARE』だ。
表紙に描かれたティラノザウルスがシュールでキュートなこのジンは、「一人一人が大切な存在」で、「自分自身のことを一番に考えて、ケアすることってすごく大切なこと」という作者の思いとメッセージが詰まった一冊。
「テクノロジーに囲まれた生活も好きだけど、人々が自分の手に取って、ジンと自分の気持ちを通わすことができるような、アナログのものを作りたかったの」と話す。
中身はとてもビビッドで、各ページが個性を振りまく。
左ページにはセルフケアチェックリスト、その隣に「Colour me!(私を塗って!)」と脱力系キャラが両手を広げてあなたをむかえるぬり絵、
ページのポケットに入った「LONELY(孤独)」「TIRED (疲労)」「JEALOUS(嫉妬)」「BROKEN(傷心)」など、誰しもが感じることのあるネガティブ感情を吐露した治療カード、
それから作者からのお手紙だってある。
ポジティブ思考をひたすら謳う自己啓発本から押し付けがましさと有り余る勢いを引いて、ポップでカラフルなメッセージと思わず顔がほころぶような愛くるしいキャラを足したのが、このジン。私とあなたのポケットに、そっとしのばせたくなるこの癒しジン、現在売り切れ状態だが増刷予定。事前注文は、ココから。
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All images Via SELF-CARE
Text by Risa Akita