「職場が美術館だったらなあ」
心浮き立つ夢のような話が、これから現実になる。そして今回は、アーティストのためじゃなく、オフィスワーカーたちのための、「美術館ワークスペース」だ。
都内の遊休スペースの内装を美術館にリフォームし、そこに絵画を掲げ、ビジネスパーソンがアートに囲まれながら創造的な仕事に取り組めるための「働ける美術館」プロジェクトが、ART HOUSE (アートハウス)だ。学生向け起業支援会社GOB Incubation Partnersと銀座至峰堂画廊が共同で進めている。
今年4月、西新宿にオープンするART HOUSE 第1号のコンセプトは「和の美術館」。飛び石や木のトンネルで作られた入り口に、白を基調とした和モダンな内装、漆喰が塗られた壁。
本物の美術館と違うのは、電源、Wi-fiが装備されて作業環境が整っていること。アトリエのように、様々な紙やペンが備え付けられており、「芸術からの知的刺激溢れる空間で、好きなだけ自分の世界を創造すること」ができるのがこの作業場の特徴だ。
働く人は作業をする人ではなく、「創造する人」であり、
そして働く空間は、作業をする場ではなく、「創造する空間」だからです。
その他、絵画予約機能で好きな絵画を事前予約して、美術館に掲げておくことや、
美術館を貸し切り、打ち合わせやミーティング、ワークショップの場所にすることも可能。
本事業責任者でGOB Incubation Partnersの岩本美咲さんは、昨年夏にヨーロッパ、日本国内にある100ヶ所以上の美術館やワークスペースを視察。日常生活と美術との距離が近いヨーロッパの芸術環境を実感し、「日本でアート鑑賞が食事のような、生活の一部になるように」との思いが、このプロジェクトのそもそもの立ち上げ理由だそうだ。
働く人が生活の半分を過ごす仕事場に美術があり、自分だけのアトリエに籠って企画を練ったり、プレゼン資料を作ったり。働ける美術館は、「知的ワーカーたちのアトリエ」です、と岩本さん。
「現代の働く人に、閉鎖的なオフィスから開放された、創造性溢れるワークライフを送って頂けたら」と願っている。
現在、Makuakeにてクラウドファンディング中。
新しいワークスタイルの支援は、ココから
ART HOUSE / art-house.com/yoygi
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Text by Risa Akita