100均の茶碗もイケアの皿も“一点モノ”に?「大量生産をクラフトに手直し」職人技術のアップサイクル

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エシカルやサステナブル、エコ、ミニマルー現代においての合言葉を生み出したのは、他でもない産業発展に伴う「大量生産・大量消費・大量廃棄」社会だ。さらなる危機感は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)やリデザイン、アップサイクルという魔法の言葉も生み出した。

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 食卓に並ぶお茶碗など日常で見かけない日はない「陶磁器」も、大量生産・消費、そして廃棄の対象だ。国内だけでも年間約5,800トンが生産されるも、多くが消費されることなく廃棄されている。たとえば引越しで、「持ち運び面倒だし、また買えばいいか…」と100均やイケアで買ったまだ使える食器をゴミ箱へ、なんて経験はないだろうか。

 没個性ゆえ(いくらでも代わりを買える)廃棄される量産型陶磁器をどうにかしたい、と行き着いたのが“焼き直し”。素材をもう一度焼くことで、他にはない「一点モノの陶磁器」へアップサイクルできる。山梨県にある秘密の窯焚き場(住所は非公開)「KURA COCOLONO(くら・こころの)」の取り組みだ。
 同プロジェクトを率いるのは、建築家/デザイナーの竹鼻良文(たけはなよしふみ)氏。信楽焼(しらがやき)で有名な窯元・文五郎窯とコラボレーションし、ゴミ箱行きの陶磁器をふたつとない一点にリデザインする「移動可能な陶芸窯」をつくった。

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 通常、陶磁器を安価に大量生産するためには電気窯が用いられる。しかしKURA COCOLONOは「焼く場所や焼く季節、使う燃料、燃料の入れ方でデザインがまったく違うものになる陶芸窯で、人の手で一点いってん焼く。100均でズラーっと大量に並べられているようなお茶碗も焼き直されると、 自然の釉薬(ゆうやく)*の趣も相まって、まったく新たな様相を見せてくれるのだ。

*燃料の薪の灰が焼成中の器物の素地に付着して自然に釉がかかり、つやがでること。

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 以前紹介した、町工場とデザイナーの共創が生んだ“廃棄物ゼロのイス”同様、発想豊かなデザイナーとそれを形にする技術者の連携プレーが生んだ、KURA COCOLONO。ここ数年、若い世代を中心に陶芸に火がつきはじめたともいうから、移動可能な陶芸窯がエリアに一台という日が来れば気軽なアップサイクルもはかどりそうだ。

 詳しくはコチラから。

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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