「うげぇ、超サイテー」!—90年代癖あり名映画の名台詞を解剖。“90s米ギャル捨て台詞”まで。AZボキャブラリーズ

シティの真ん中からこんにちは。ニュース、エンタメ、SNS、行き交う人から漏れるイキな英ボキャを知らせるHEAPS(ヒープス)のAZボキャブラリーズ。
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1月のテーマは「懐かしの映画・ドラマで放たれた、登場人物の決め台詞」。今回は「わたしの生まれた年代です」という人も多いんじゃないかな、1990年代。癖のあるアクション映画がお得意の監督“タラちゃん”に、いまは亡きあの名優が女装をかます爆笑コメディから名珍言が飛び出す…!今回も、じっくりと解剖。

1、「They look like a couple of dorks.(アホな2人組って感じだね) 」

—“おかっぱ・煙草”のポスターが印象的、タラちゃんの突き抜けクライム・ムービー『パルプ・フィクション』

「くだらない話」「低級犯罪小説」「読み捨ての三文小説」を意味するパルプ・マガジンから名を得た、とりとめなさド級のカルト作『パルプ・フィクション(Pulp Fiction、94年)』。監督・脚本は、作り込んだチープさと、きな臭い人間性と、容赦ないバイオレンスがお得意のクエンティン・タランティーノ(愛称タラちゃん)だ。

映画は、あるギャングとその周辺の人々を巻き込んだ短編ストーリーが連なったオムニバス形式。そのとりとめなさに、「意味不明」「つまらない」という意見もあるが、はまった人は抜け出せない中毒性を孕んだ映画だ(現に何十回も見たという体験談もかなり多い)。

メインキャラクターは、ギャングのヴィンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)。ギャングボスの妻、ミア(ユマ・サーマン)。ストーリーの中核は、盗まれたトランクを取り戻そうと奔走するヴィンセントとジュールスに当てられている。とあるシーンで、ひと仕事を終えたヴィンセントとジュールスはある男を乗せて車で移動していた。そこで事件発生。ふざけていたヴィンセントが銃を発砲。銃弾が男の頭をぶち抜いてしまったのだ。車内は血の海。この“痕跡”を消すため、ジュールスの友人ジミー(タラちゃん本人が演じる)の家に避難、そこにギャングお抱えの“掃除屋”ザ・ウルフが合流。
車内同様、返り血で大変な見た目のヴィンセントとジュールスを洗い流すため、ザ・ウルフは庭で裸にさせ石鹸をわたしホースで放水する。すっかりきれいになった二人は、ジミーから貸してもらったダサいTシャツを着て、ぼさっと立つのだ。そこで友人ジミーが放つ迷言が、これ。

ザ・ウルフ:You guys look like… What do they look like, Jimmie? (お前ら、なんていうか…。ジミー、どんな風にみえる?)

ジミー:Dorks. They look like a couple of dorks.(アホ。アホな2人組って感じだね)

ジュールス:Ha-ha-ha. They’re your clothes, motherfucker. (笑えるぜ。これ、お前の服だからな、マザーファッカー)

dork」で「バカ、マヌケ、アホ、ダサい」の意味。いいとこなしの単語ですね。ジミー(タラちゃん)、それ自分のダサいTシャツですから。トボけますね。

2、「Ugh, as if!(うげぇ、超サイテー!) 」

—90sファッション・バイブル? 金持ち嬢ちゃんの青春ガールズムービー『クルーレス』

ビバリーヒルズのセレブ女子高生シェールが主人公の青春映画、『クルーレス(Clueless、95年)』。ファッションも抜かりない人気者、シェールの趣味は「クルーレス(“ダサい”)友だちを変身させてあげる」ことだ。

制服風の黄色チェック柄ブレザーにプリーツスカートがシェールの定番。劇中で彼女の着る格好が女の子のあいだで流行るなど、90年代のポップカルチャー、ティーン文化に旋風を巻き起こした映画でもある。

お気に入りの黄色のチェック制服でシェールがキャンパスを歩くと、男子生徒たちはこぞって振り返る。しかし、彼女はお子ちゃま高校男子にはまったく興味なし。馴れ馴れしく肩を組んできた男子を「いやぁぁ、離れなさいよ!」と突き返し、吐き捨てのひとこと「Ugh, as if!(うげぇ、超サイテー!)」。「as if〜」で通常「まるで〜」だが、転じて、「まさか!」「ウソでしょ」「ありえない」そして「サイテー」のスラングに。

ティーン映画の醍醐味だろう、『クルーレス』はまさにスラング祭りだ。「as if」以外にも、「totally 〇〇(まじで〇〇)」や「whatever(どうでもいいし)」「I’m outie(もう行くわ〜)」「Betty(イケてる女の子)」と、当時のLAのギャル語が学べる特典つき。

3、「Dodge this.(これをよけてみな) 」

—真似したことある? のけぞりシーンがあまりにも有名なSFアクション映画『マトリックス』

黒いロングコートとサングラスが一番似合っている架空人物といったら、キアヌ・リーブス演じる『マトリックス(The Matrix、99年)』のネオだろう。マトリックスといえば、のけぞって銃弾を回避する技、通称「マトリックス避け」が一人歩きしがちだが、実は哲学的で宗教的ともいわれている映画だ。

あらすじは、天才ハッカー・ネオという裏の顔をもつプログラマー・トーマス(キアヌ)が、不可解なメールを受け取ったところからはじまる。仲間として謎の女性トリニティと仲間のモーフィアスがくわわり、仮想現実空間を舞台に人類をコンピューターの支配から解くために戦う…。

アカデミー賞も受賞した視覚効果(VFX)など、高度な映像テクノロジーが搭載された同映画だが、ハイライトは、やはりクライマックスの屋上での決闘シーン。ネオとトリニティのコンビが、悪役エージェント(警察組織)たちと格闘。
そこでトリニティがあるエージェントのこめかみに銃を突きつけ、キザに一言。

Dodge this. (これをよけてみな

銃がぶっ放された瞬間、吹き飛ぶエージェント。まあ、数ミリの隙間もなく銃を突きつけられ「よけてみな」と言われたってよけられないでしょう、と思うのですが。「これでも食らえ」ぐらいの意味に捉えた方がいいかもしれない。

4、「Let the chips fall where they may.(たとえ結果がどうなろうとも) 」

—ある空虚な男が足を踏み入れてしまった“拳の世界”、血生臭く描く『ファイトクラブ』

自動車会社に勤める“僕”(エドワード・ノートン)が主人公の『ファイトクラブ(Fight Club、99年)』。物には満たされているが、精神は満たされていない男だ。彼はある日、謎の男タイラー(ブラッド・ピット)に出会う。彼の自由な生き方と強い精神性に惹かれた僕は、タイラーに導かれ謎の秘密組織「ファイト・クラブ」を結成する。それは、男と男が拳と拳をぶつけ合うクラブだった…。

鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の血生臭い、そして見ているだけでも“痛そう”な作品。“僕”の名前が最初から最後まで明かされない、など謎多き映画だ。劇中、タイラーが酒場で“僕”を諭すシーンがある。そこで発せられた、彼の名台詞がこちら。

「I say never be complete. I say stop being perfect. I say…let’s evolve. Let the chips fall where they may.(完璧なんてない、完璧を目指すな。それより進化するんだ。たとえどんな結果になろうとも)」

Let the chips fall where they may」で、「たとえどんな結果になろうとも」。この「chips」は、お菓子のチップス、ではなく「木屑(くず)」もしくは「ギャンブルでつかうチップ」(二説ある)。木こりは木を切ることに集中すべきであって木屑には目をくれるな、あるいは、ギャンブルでは運が導く結果を受け入れよう、そういうニュアンスか? ちなみに、「Let the chips fall where they may」は、オーランド・ブルームとキルスティン・ダンスト主演のラブロマンス映画『エリザベスタウン』の告白シーンにも使われるので、観る機会があったら注意してみよう。

ちなみにファイト・クラブでは、幻の名言がある。それが「I am profoundly vanilla」だ。「be vanilla」は、スラングで「つまらない、ふつうの」の意味。テイラーか“僕”かの台詞として「I am profoundly vanilla(俺はつまらん男だ)」が複数の映画サイトにリストアップされていたり、この台詞が書かれたTシャツも販売されているのだが、映画をなんども観ても確認できなかった(幻聴なのか?)真相知っている人がいたら教えてください。

5、「Beat it!(くたばれ!) 」

—ロビン・ウィリアムズ怪演の女装した家政婦さんが笑かす『ミセスダウト』

クリスマス近くなると、金曜ロードショーなどでよくやっていた記憶のある『ミセスダウト』。いまは亡き名優ロビン・ウィリアムズが女装をして世界的に大ヒットしたコメディ映画だ。

主人公は、妻から離婚を切り出された売れない俳優ダニエル。子どもたちに会いたいがため、イギリス人家政婦「ミセス・ダウトファイア」として女装して元妻の家に潜り込む…というドタバタさ。(自分の)子どもたちに厳しくしつけし、できもしない家事をドタバタと頑張るミセス・ダウトファイア。健気だ。時に、毛深い脚や下品な言葉に“男”の素が出てしまうのが、笑いポイント。

そして、このときも“素”が出てしまう。街中を歩くミセス・ダウトファイア。彼女を“おばあさん”だと見くびり、ある男がカバンを引ったくる。そのおばあさんの正体が、中年の男だとは知らずに。ミセス、思わず地声で、

「Back off! Asshole, go on, Beat it!(どけよ!てめえ、にゃろ、くたばれ!)」

これには強盗も別の意味(?)で度肝を抜き、退散。まあ、こんなドスの効いた地声のばあさん、普通はいませんからね。

次回は、2000年代編。『アメリカンサイコ』『プラダを着た悪魔』、
そして、どこの国にもいるんですね、な意地悪クラスメイトのあの映画から。

「Watch out, please! New meat coming through!
(そこのけそこのけ、新しい“肉” が通る!) 」

おたのしみに!

▼これまでのHEAPS A-Zボキャブ
このクソメガネ野郎が!—『E.T.』『スタンド・バイ・ミー』青春の置き土産、80s名台詞を解剖。AZボキャブラリーズ
俺の仲間たちよ—『時計仕掛けのオレンジ』『タクシードライバー』主人公らの名台詞(英語)を解剖。AZボキャブラリーズ

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Illustration by Kana Motojima
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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