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  • Dec 1, 2017
娘が聞いた「父の極スリル実体験」闇市に越境、“ソ連時代のアブない”逸話集『SOVIET UNION』
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人生で一番最初に出会う最も身近なストーリーテラーといったら、じいちゃんばあちゃん、親戚のおじさん、そして父さん母さんだろう。青春時代の武勇伝をああしたどうしたこうした語る父に、若いときモテたのよ〜と遠い目をする母。また同じ話…なんてめんどくさいときがほとんどだが、自分が生まれるより前の時代の“おもしろい話”に、時たま耳はダンボになったり。

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「闇市にもいろんな部門があったんだ。フードに服、靴、電気機器、アート作品、音楽に本…」
「地元産のアヘンがそこらじゅうで売られていた」
「マフィアに護衛されながらイタリアに亡命した。あのとき食べたサラミの味は忘れらない」

 これら武勇伝(実体験談)の語り手は、ソ連時代を生きぬいた男、父アレック。聞き手は、娘エミリー。父の冷戦時代の実体験など諸々バナシを、ジン『SOVIET UNION(ソヴィエト・ユニオン)』に綴じた。
 共産主義・ソ連時代のウクライナで生まれ育った父からはこぼれ出たのは、学生時代に足を踏み入れた闇市や、ヨーロッパ内でユダヤ人差別がまだ激しかった時代(父はユダヤ系)、イタリアンマフィアに護衛されながら列車で越境し伊ヴェニスまで到着したぶっ飛び体験。現在はカナダ在住のアレック・エミリー親子が共同制作で蘇らせた、さらばソ連の思い出話だ。「もしお父さんがあの時捕まってたら、私は生まれてこなかったんだ…」とエミリーがふと感じてしまうほどの緊迫ストーリーも、ちょっとシュールで可愛いイラストが手伝って、楽しく読めてしまうのがいい。

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共産主義って、セオリー上では(平等社会だから)ユートピアのようだけど、この時代に実際生きた人にとったら歪んだ政権下で生活しなければならなかった。共産主義って本当に成り立つものなのかしら?
 歴史の授業で習った年号や出来事は右の耳から左の耳でも、若き父ちゃん母ちゃんの“生きた”歴史なら頭に残る。大人になったいま聞くとまた変わって映るかも。旅に出るのとはまた違う、もっとも身近な自分(のルーツ)探しだ。

SOVIET UNION ZINEHPInstagramEtsy

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All images via Emily Fin
Text by HEAPS, Editorial Assistant: Tomomi Inoue
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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