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  • Jul 15, 2017
キャンプ用フライパンが売れまくり。「懐かしの行事をカスタム・アップデート」で若者ハマる?キャンプがいま空前のブームだ
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本当に必要なモノだけをバン(van)に積みこみノマドライフを送る「#vanlife」ムーブメントや、いま日本でも流行りの大自然での贅沢野営「グランピング」、野営のポップアップホテル。若い世代を中心に新しいアウトドアライフが休みなく誕生しているが、ここにきて少し原点回帰か? いま、空前のキャンプブームがおしよせている。

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Image via Dino Reichmuth

キャンプビギナーなミレニアルズ、急増中

「キャンプにハマる米国のミレニアルズ」は単なる誇大宣伝ではなかった。キャンプ場会社(Kampgrounds of America, Inc.)の調べによれば、年々キャンプ人口は増加(※)し、その38パーセントを占めるのがミレニアル世代。昨年キャンプをはじめたキャンプビギナーのおよそ半数はミレニアルズだという。そういや昨年、筆者(ミレニアル)も実に10数年ぶりのキャンプに行った。

 キャンプブームでいえば、何もいまにはじまったことではなく90年代にすでに一度存在した。すなわちこれは再来という方が正しい。ではなぜいま再来か? というと「子ども時代に楽しんだことを大人になって自分たちでまたやりたい」というのがあるだろう。たとえば25歳であれば、90年代は小学生、家族でキャンプを楽しんだ。これは、「子ども時代に慣れ親しんだおやつ、ピザやドーナツ、カップケーキを、大人になったいま自分が美味しく再現したい」というクラフト・ブーム方程式に通ずるものがありそう。その再来だが、空前のブームまで成長しているのは、彼らの心を掴みもっとキャンプに出かけてもらおうと、さまざまな企業があの手この手を使って訴求しはじめたからだ。

※現在では米国の7500世帯=全世帯の61パーセントがキャンプをしている。

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Image via Myles Tan

キャンプするなら、ギアの見た目&ご飯もこだわりたい?

 みんなご存知、大手アウトドアブランド、ザ・ノース・フェイスが昨年発表したのが、ミレニアルズのためのキャンプギア(※)ライン「ホームステッド(HOMESTEAD)」。機能・価格は程よく、そして、見た目がキャッチーがキーワードだ。

※キャンプに関するグッズ。テント、寝袋、調理器具などなど。

 従来のキャンプギアといえば、キャンプ玄人のための新素材を使った高価な高性能ギア(複雑)、あるいはとりあえず一回楽しみたいビギナー向けの、一回使ったら壊れちゃうんじゃないの?な「安くてグレードの低いギア」のどちらかだったが、ホームステッドはその間をうまーくついた。居住性や耐久性、防風性など同ブランドが培ってきたギミックを搭載した最低限の程よい機能性、かつ手の届きやすい価格(たとえば、テント約2万8000円)。決して安くはないが、友だちとお金をだしあって買おうと思える金額ではある。一番のポイントは、黒やグレー、アースカラーというお決まりのカラーチョイスを逸脱したビビッドカラーやポップな模様のインスタ映え必至のアイキャッチーなデザインだろう。

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Image via Brina Blum

 最近のキャンパーがこだわるのが何と言っても「キャンプ飯」。キャンプ用調理器具の需要も高まっており、大手アウトドア用品店REI(レイ)ではキャンプ用鉄製フライパンの売上が、前年から57パーセントもアップしているというから驚きだ。さらに、パタゴニアもキャンプに持っていけるジャーキーやサーモン、ドライフルーツのパック(パッケージもお洒落)を販売したりと、食にうるさい“フーディー・ジェネレーション”の欲求(と腹)を満たす戦略。焚き火を囲んでカップ麺もそれはそれで美味いんだが、この調理ギア使ってみたい、このご飯自然で食べたらおいしいだろうな、と食を入り口にミレニアルズのキャンプへの敷居を低くしているのが現代っぽい。

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Image via Brenda Godinez

トヨタも。ミレニアルズと相性悪い車業界も乗り出す

 そして、キャンピングカー。ミレニアルズの車離れが囁かれ、売り上げも伸び悩む車業界、キャンプブームにここぞとばかりにあやかった。トヨタが今年4月に発表したのは「都市部に住むミレニアルズのためのアウトドア車」。“都会人のための四輪駆動の道具箱”をテーマに作られていて(ランドクルーザーの新型FT-4X)、

・取り外し可能なオーディオシステムやキャビンライト(懐中電灯として使用可能)
・保冷・保温庫も備えつけ
・普段はアームレストとして機能する部分は寝袋になる
・荷台がテントに様変わり

 と、この一台さえあれば思い立ったらキャンプにいけそう。「都市部に住むミレニアルズは週末のひとときを気軽にアウトドアで過ごすのは好き。でも前もって計画することは苦手」とトヨタ。ふと思い立って「今週末は自然を満喫したい」となるも、本格的なキャンプの準備は大変だが「こちら一台があれば、カジュアルなのに本格的なアウトドアを楽しんでもらえますよ」とそそりたてる。好奇心旺盛で、あらゆるものを気軽に楽しみたいけど、こだわりは強い。その消費傾向に話題のキャンプを抱き合わせてきた。車はさすがに「ふーん、とりあえず買ってみるか」にはならないが、業界大手がミレニアルズ×キャンプ」のプロモーションに打って出たという事実がキャンプブームを物語っている。グランピングも野営ポップアップホテルも斬新で楽しそうだが、自分の好きにできるという点ではキャンプが一歩リード? 企業の仕掛けの多様化も見込めるし、2010年代も残り2年半となったがキャンプブームの息は長そうだ。

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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