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  • Jun 1, 2017
ペットのご飯も透明化。一匹一匹にカスタマイズ&デリバリー、「ビスポーク・ペットフード」ビジネスが成長中
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ここ最近、爆発的な人気を見せる「フードデリバリー・サービス」。デリバリーといえばお手頃なピザや蕎麦の出前、なんていうのは一昔前の話で、いまは有名シェフの料理がお手頃価格で配達されたり、猫の手も借りたいビジネスパーソンにはヘルシーランチを職場まで配達してくれるなど、現代人が重視する「食のクオリティーと時間の短縮」が満たされるサービスや、アプリが急増。
とまあフードデリバリーの話題は尽きない。が、今回は人間の話ではなく、「ペットのご飯、デリバリー」だ。

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ペットフード革命来たり。

 近年、晩婚化の影響もあってか、ペットの存在は現代人の生活でどんどん幅をきかせている。家族の大切な一員であり、我が子のように“お金をかける対象”(※)となった。「仕事に忙しいけどペットには贅沢を」という人たちを対象に、犬のおもちゃやヘルシーおやつが詰め込まれたセットが毎月届くサービスや、飼い主とペットシッターをコネクトするウェブプラットフォームなど「ペットのスタートアップビジネス」も増加している。

 そんななか、現代人の価値観と風潮にどんぴしゃりな新しいペットビジネスが頭角を現してきた。「どこで・誰が・どうやって」作ったのか、自分が口にするものの“透明化”を、ペットのご飯にも反映させた「ヘルシー+カスタマイズ+デリバリー」のペットフード・スタートアップだ。

(※)昨年、米国国内ペット産業支出額は約660億ドル(約7兆3000億円)、さらに国内でのペットフード消費額は2015年では約300億ドル(約3兆3500億円)と、現代人はとにかくペットにお金をかけている。

The Farmers Dog - NYC Campaign Shoot

ペットフードも「ビスポーク」な時代

最近の消費者はどんどん賢くなり、自分の体の中に入る“食の質”をいつになく気にかけるようになりました。それは大切なペットに対しても同じです

 そう話すのは、ブルックリンのドッグフードスタートアップ「The Farmer’s Dog(ザ・ファーマーズ・ドッグ)」創設者、ブレット・ポドルスキー(29)。ビジネスパートナーのジョナサン(30)とともに、カスタマイズドッグフードのデリバリーサービスを昨年7月にスタートした、ミレニアル起業家だ。

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「健康的な食事が必要なのはあなただけじゃないですよ」のコンセプトのもと、年齢、犬種、大きさ、活動レベル、健康状態に合わせた、各犬に対して最適のレシピを選択し、自宅まで配送してくれる。

グレーな市販のペットフードに「待った!」

かつてのぼくは、まさに“不満顔の飼い主”の一人でした」。スタートアップのきっかけは、愛犬の慢性的な消化不良だった、とブレット。市販のドッグフードを片っ端から試しても改善されることはなく途方に暮れる。そんな時、「自分で作ってあげたらどうですか」との獣医の助言通りにすると、みるみる愛犬の体調はよくなっていった。その後、再び信頼できるペットフードブランドは本当にないのか、入念にリサーチをしてみたが「どうしても見つからなくて」。

 それもそのはず、市販ペットフードの危険性は社会問題になるほど。10年前にはペットフードに混入されていた化学物質メラミンで犬や猫が死亡したり、長期保存できるよう強い防腐剤を含む可能性があるなど、ペットフードの不透明な生産過程・グレーな安全性が常に飼い主を不安にさせてきた。
 さらに米国の60パーセントの犬は肥満や糖尿病にかかっている。その米国に限っては、大手食品会社2社がドッグフード業界を独占、ドッグフードの生産・流通過程はここ数十年、変容していないといわれてきた。

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「こうなったら、自分で立ち上げてしまおうと思って」。ザ・ファーマーズ・ドッグのフードはオールナチュラルと徹底。素材は地元農園で採れた新鮮な野菜やレストラン用の仕入れ元から調達するなど、すべてUSDA(米国農務省)基準を通った健康食品だ。

 ターキー、ポーク、ビーフベースのオリジナルレシピをニューヨーク市内の小さなキッチンで調理するなど、生産者の目が行き渡り、作られてから数日以内には飼い主の元へ届けられる。市販のドッグフードのように何ヶ月も商品棚に陳列されていた…とは比べ物にならないほどフレッシュなのである。

“忙しい”飼い主のライフスタイルにあわせて

「愛犬に毎回食事を作ってあげたいけど、時間がない(そして、正直面倒かも…)」という飼い主たちに響いたのが「デリバリー」という要素。実際、ザ・ファーマーズ・ドッグの顧客は、25歳から35歳の働くミレニアルズで、自身の食にもヘルスコンシャスな女性が多いのだとか。
 さらにうれしいのが、「自分のペットの体重に合わせ、適量のご飯を袋わけしてくれる」ところ。定期購買サイクルも日単位でこまめに購入したい人から、2ヶ月分を一気に保存しておきたい人など、購入のパーソナライズ化をしている。

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犬の大きさによって異なるが、小さい犬なら1日3ドル以下、1週間で11ドル以下から、と手の届きやすい値段。パッケージに自分の犬の名前を書いてくれる心遣いもいい。

 ビジネスをはじめてから1年、反響も大きく、愛犬の体の調子がよくなった、吐かないでご飯を食べられるようになった、との声が寄せられた。昨年10月、同様の健康ドッグフードデリバリースタートアップも誕生している。人間のフードデリバリーサービスに追いつくか? ペットフードデリバリービジネスは黎明期だ。

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The Farmer’s Dog
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All images via The Farmer’s Dog
Text by Risa Akita
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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