不快なメッセ「代わりに返信しときます」オンラインハラッサーを賢くとっちめる〈毒舌な代筆ボット〉

女性というだけで、オンラインハラスメントの対象になる可能性がある。 ビデオゲームのコミュニティでさえ、嫌がらせを受けたくないがために自分の性を隠す女性たちがいるんです」。ならば迷惑ハラッサーをとっちめてやりましょう。「ブロックや報告して終了」ではなく、「AIの放つスマートで機転の効いた一言」で。

nastybot logo (1)

世界共通の社会問題「オンラインハラスメント」、解決策はAI?

 セクハラ、パワハラ、そして「オンハラ」という略語まで登場しているオンラインハラスメント。ネット上でのセクハラ被害のことで、悪意のある噂話や誹謗中傷、性的なメッセージや画像、脅迫などがその内容だ。米リサーチセンター・ピュー研究所の調査(2014年)によると、米国ではオンラインハラスメントを経験したことのある人は40パーセント(それを目にしたことがある人にいたっては73パーセントだ)。現に、30万人が自身の迷惑メッセを晒す投稿コミュニティも存在する。場所は変わって日本では、3人に1人の女性がオンラインハラスメント経験者。最近では、オンラインハラスメント被害者になりやすいSNSのインフルエンサーたちが、オンラインの誹謗中傷にどう対応すべきかをシェアするなど、オンラインハラスメントは21世紀最大の世界共通社会問題といえよう。

 では現実的に考えて、ネット上でハラスメントを受けたらどうするのが正解なのか? 先出のピュー研究所の調査では、オンラインハラスメント経験者60パーセントの対応が「無視」。他には、相手をブロック・報告したり、あるいは対峙したという人も。しかし、いざ言い返してみようとも忙しかったらそんな時間に割くのは無駄だと思うし、まして真面目に反撃しても相手は手強い迷惑野郎だ。そこで、人間に変わって「ロボット(AI)」が迷惑メッセをさばいてくれるといったら?

 UXデザイナーのバーフィンちゃんが、大学院在学中に考案したのがフェイスブックの迷惑メッセに賢く返信してくれるチャットボット「Nastybot(ナスティボット)だ。いかがわしいメッセがきたらナスティボットを起動。すると様々なシチュエーションに対応した返答を用意するボットが内容をキャッチ、スマートな切り返しでハラッサー(ハラスメントをする人間)との会話を代行してくれる。相手から不快なセルフィーが送られてきたら、顔認識技術で的確なコメントも。

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ナスティボットに返信代行のお願いをする。

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ハラッサーA:髪の毛アップにしてるとセクシーじゃん。
ナスティボット:あっそ。
ハラッサー:おいおい、褒めてもらったらありがとうだろ?
ナスティボット:NO。

nastybot iphone 4
ハラッサー:俺の写真、好きか?
ナスティボット:キャップ取ったら?何か無理してる感。あ、てかそれが素のあんたか。

たとえば、ハラッサーがあなたにメッセする度にゲイリー・ビジー(悪役俳優)の写真を送りつける設定もできたり。そしたら相手もうんざりして諦めるでしょう? 不快なメッセをただ笑い話にすることが解決策には繋がらないし、軽く受け取っちゃダメ。それと、迷惑メッセに怖い思いをしているときでも、ユーモアがあればちょっとは安心できるかなって」

 できることなら二度と関わりたくない迷惑メッセを代行してくれるナスティボット、現在はプロトタイプの状態だ。現段階ではフェイスブックの制限により製品化は決まっていないものの、「協力してくれるパートナーを探し中。ハラッサーから人々を守る『ネット上の最高の武器』になるよう、本物のサービスとして発展させたい」

 オンラインに飛び交う知らない人からの迷惑メッセは、無視すれば済む話かもしれない。正直、わざわざご丁寧に返信してあげるのもなぁとも思う。が、無視されただけで痛い目を見ないハラッサーたちは、また次の獲物を定めて同じことを繰り返す。無視はオンラインハラッサーたちの温床を拡大するから、「AIの頭脳に頼って撃退する」。詩を書けるAIがいて、離婚相談に乗ってくれるAIがいるなら、最高の毒舌を吐けるAIがいてもいいだろう。

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All images via Nastybot
Text by Yu Takamichi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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