【今週のZINE】ヒジャブを纏うロンドン女子が作る。宗教と民族とロンドンカルチャー『OOMK』

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“おしゃれ”の代名詞ミラーレンズに、「kawaii」カルチャーの発信源・原宿を想起させるポップなデニムジャケット。そして、その頭を覆うのは「ヒジャブ」だ。

 ロンドン発、『OOMK(ONE OF MY KIND)』ジンを発行するSofia Niazi(ソフィア・ニアジ)、Rose Nordin(ローズ・ヌルディン)、Heiba Lamara(ヘイヴァ・ラマラ)の女性3人組もまた頭には「ヒジャブ」。彼女らは、いわゆる「ミップスター」

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『OOMK』ジンは2013年より発行され次号で6号目となる。毎号異なるテーマで、ミップスターにはじまり宗教的・民族的なバックグラウンドを持つアーティスト・活動家をドキュメントする。全編フルカラーで作られる、確かなフェミニストジンだ。
 ヒジャブと現代ファッションが融合し、洗練と新しさを持ち合わせたビジュアルイメージはもちろんのこと、生まれも育ちもロンドン、だがマレーシアからアルジェリアまで、それぞれ異なるバックグラウンドを持つミップスター女子だからこそ作れる、国際色豊かな記事も魅力の一つ。

OOMK team

 1970年代から90年代まで活動していた女性による印刷工房「See Red(シー・レッド)」のメンバーへのインタビューや、マレーシアのインディペンデント・マガジン『Odd One Out(オッド・ワン・アウト)』特集など並ぶ。
「DIY culture(ディー・アイ・ワイ・カルチャー)」や「ZINE WORLD(ジン・ワールド)」などジンフェアも開催、彼女らのユニークさである宗教的・民族的バックグラウンドをもってロンドンジンカルチャーとフェミニスト運動を支える。

 宗教的・民族的なバックグラウンド、いわば先人たちのレガシーをしっかり継承しながらも、デジタルネイティブ世代でもあるミップスターは、新たなムスリム世代の肖像だ。ヒジャブを纏うその内側は、ジンカルチャーに精通するバリバリのロンドンっ子。まさにそれを、3人組が作る『OOMK』は体現するのだ。

oomk cover

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All images via OOMK
Text by Shimpei Nakagawa

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