リヴァプールの脚本家から南アフリカのセックスワーカーまで。インスタレーションで見せる、15の現代人の“リアルな働き方”

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イングランド北西部の中心都市、リヴァプールにあるアートスペースFACTで現在開催中の展覧会『REAL WORK』。ニューヨーク出身のビデオ/パフォーマンスアーティスト、リズ・マジック・レイザーと南アフリカ出身のビデオアーティスト、キャンディス・ブレイツによる、ふたつのインスタレーションが展示されている。「REAL WORK(リアルな仕事)」という名前の通り、リヴァプールの脚本家から南アフリカのセックスワーカーまで、約15の普段知ることができない世界の仕事人のストーリーを真正面から描いた作品だ。

リズの作品は2019年に作成された『In Real Life』。オンラインプラットフォームやアプリで見つけた仕事をこなしていく5人のフリーランサーたちを実験的リアリティーショー形式で描く。仕事場で決まった時間に働かなくても、自分のスキルをネット上で売り込み、PCさえあれば世界中どこでも仕事ができる時代。しかし、リズは「フリーランサーは本当に自由なのか?」「いつ仕事がはじまり、いつ終わるのか?」。そんなフリーランサーが抱えるであろう現実的な問いを投げかける。

『Sweat』という名のキャンディスの作品は、南アフリカ・ケープタウンを拠点とする10人のセックスワーカーとコラボレーションして作られたもの。彼ら全員が「SWEAT(the Sex Workers Education & Advocacy Taskforce)」という人権団体に所属するアクティビストたちだ。ギャラリー内部に設置された10個のテレビ画面には、カラフルな口紅をつけた口元だけが映されている。同時に流されているのは、彼らのインタビュー音声。セックスワーカーたちが日常的に経験している性差別や人種差別を語る音声は、部屋にどことなく不協和音を響かせている。繰り返して述べられるのは、「セックスワーカーは立派な仕事だ」。労働の形がさまざまに変化している現代においても、いまだにタブー視されている業界や、労働者の権利が保護されていない仕事はたくさん存在する。これらの“リアルな仕事”は、本当に地球の反対側で開催中の“展示”に過ぎないのか?


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby


Real Work Exhibition,(c)Rob Battersby

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Text by Haruka Shibata
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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