ヒープスでもフォトグラファーとして数々のストーリーを切り取ってきた台湾出身の写真家、クオ・ヘン・フアン。彼の個展『Exhausted Picture』が現在、ニューヨーク・チャイナタウンにあるチャイニーズ・アメリカン・アーツ・カウンシル/ギャラリー456で開催中だ。
今回が2回目となる個展は、最新の写真作品をフィーチャー。同展でクオが投げかけるのは「人間でありながら、真の自由と幸せを見つけることは可能なのか」。もともと人間という生き物はどこから来てどこへ向かっているのか? 生きるために獲物を狩り、土地を耕すために労働というシステムが生み出され、そのシステムを強化するために伝統が生まれ、伝統から解放されるために新たな文化を生む。可能性を心に思い描くために、人間は帆船や望遠鏡を作り出した。
「人間はこれまで、サバンナや砂漠、部族、言語、組織、農業、テクノロジー、文明、歴史、哲学とともに進化の道を歩んできた。しかし、人間は時として、どうしてその道を歩んできたのかがわからなくなるときがある」。“自分たちの道”を進んできたと思っていたが、実際は決められたシステムや組織の中で動かされている小さな駒の一部でしかなかったのか。個人のあらゆる面を制御する、そんなメカニズムがこの世の中には確実に組み込まれているのか。人間には内在的に備わっている力と外部から受ける力がある。人間の旅というものは、この漠然とした“見えざる力”に突き動かされているのかもしれない。自然と人間の対比から、カメラのファインダーを通して、鑑賞者一人ひとりに“自分の道”へと再訪する機会を与えている。
From the series ‘Exhausted Picture’
From the series ‘Exhausted Picture’
From the series ‘Exhausted Picture’
From the series ‘Exhausted Picture’
From the series ‘Exhausted Picture’
From the series ‘Exhausted Picture’
From the series ‘Exhausted Picture’
Chinese American Arts Council and Gallery 456 are supported, in part, by public funds from the National Endowment for the Arts; the New York State Council on the Arts with the support of Governor Andrew Cuomo & the NYS Legislature; The City of New York Department of Cultural Affairs in partnership with the City Council; and many other friends.
Text by Haruka Shibata
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine