“ピンクなロゼと缶ワイン”がインスタフィードを埋め尽くす。2017年ミレニアルズドリンク最前線
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とりあえずの一杯、庶民の味方、こだわりのクラフト。もっとも馴染みのあるお酒といえば世界共通で「ビール」だ。しかしその絶対王者のビール業界、近年こわい相手がいる。
それは、ミレニアルズ票をがっぽがっぽ集めている「ワイン」。単なる一過性のブームで終わるだろうとの声もなんのその、2017年のワイントレンドは、「ロゼ」と「缶」でさらにアップグレードされたからだ。

ミレニアルズカラーのロゼは“インスタドリンク”

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 昨年、米国のワインの半分を飲み干したと報じられたミレニアルズ。映画館でもワイン、スーパーで輸入ワイン、アーバンワイナリーなど、若者の心に響くアプローチでワインが身近なアルコールになった。
 今年、さらにそのカンケイを深めることになった決め手は、本場フランスでは夏の風物詩として愛される「ロゼワイン」。ビールの売上高は前年比を下回ったなか、売り上げを一年間で53パーセントも伸ばした

 なんでロゼなの? 確かに赤や白ワインに比べると安い。だが、値段よりも重要なのは代名詞である“淡いピンク色”。勘の良い人ならもう気づいたかも? ロゼワイン、バカ売れする唯一にして最大の理由は、なんといってもインスタ映え必至の「ミレニアル・ピンク」だから。ミレニアル・ピンクとは、こちらもここ近年、レストラン店内、商品パッケージ、広告など日常生活で目にすることが一段と増えた、ミレニアルズが大好きな“うすピンク色”のこと。ロゼはロゼでいるだけで、彼らの目を引くというわけだ。

フツーのピクニックよりも「ピンクニック(Pinknic)!」

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 米国内のロゼワインの年間消費の40パーセントを占めるのが、インスタを愛してやまない21歳から34歳の女性(リサーチ会社ニールセン調べ)。
 さらに、この「ミレニアル・ピンク=インスタウケ(若者ウケ)」の方程式をうまく利用したロゼの一手が、昨年よりニューヨークで開催されているフェス「Pinknic(ピンクニック)」。テーマは単純明快、ロゼワインでピクニック(地元セレブシェフによるフード、ライブミュージックとDJも)だ。今年は2日間で1万2000人以上の来場者数を記録。インスタページを見れば、目に飛びこんでくるのはピンク、ピンク、ピンクの圧巻の光景。

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Image via Pinknic

 燦々の太陽のもとワイングラスに注がれただけでも、ミレニアル・ピンクがあるだけでいまっぽさがグンと高まるのは気のせいだろうか? 
 トレンドカラーをさりげなく添えることのできるロゼワインは、“instagramed(インスタ用)”ドリンクとして、この一年間、ミレニアルズの心をがっしりと掴んでいたわけだ。

飲みきりサイズの「缶ワイン」が好き

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 缶ビールに缶チューハイ。日本では缶入りアルコール飲料は日常の光景ではあるものの、米国ではやっぱり瓶が主流(もちろん缶も存在する)。だが昨今、米国でもアルコール業界全体で瓶から缶へのシフトが起きているのだとか。缶カクテルに加え、「缶ワイン」も登場だ。

 その缶ワイン、どれくらい人気かというと…昨年、米国内における缶ワインの売上は1450万ドル(約15億9,000万円)。2015年と比較すると125パーセント増だ。この驚くべき急成長を遂げた新たな市場に、大手からスモールビジネスまで続々と参入し、この1年間で120以上の新たな銘柄の缶ワインが発売されたという。

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 “缶ドリンク先進国”の日本でもあまり見ることない缶ワインだが、米国内でなぜここまで急成長を遂げているのか。まず、「コストが安い・持ち運びもラク・缶品質向上で味もクリア」。それに加え、缶になってワインに対する親近感がさらに沸いたこと。宅飲みならボトルでもいいが、仕事終わりにクッと一杯飲みきりたい、夏のアウトドアやキャンプでバックパックにもトートパックにもサッと入れたい。栓抜きもカップも持っていきたくない。ときたら、断然缶。
 一缶平均4ドルから6ドル(約430〜650円)だから、いろいろな銘柄を楽しめるのも好ポイント。パッケージデザインもインスタ映えのビジュアルで売れに売れまくっているというわけだ。

 ミレニアルズとワインの蜜月。そんな間柄もそろそろ落ち着くかと思った人も多かった矢先、あらかじめ書かれたシナリオのように絶妙なタイミングで登場した、ミレニアル・ピンクというトレンドカラー。それにハマったロゼワインに、缶ワインというジャブも入ってアツい関係はよりヒートアップ。ミレニアルズとワインのお熱い仲は倦怠期知らずのようだ。

※1ドル108円で換算

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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