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  • May 8, 2018

「酔った勢いで送ったメッセージ」を翌朝なかったことにするアプリ。次はコミュニケーションを抑制するテクノロジー

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うっかり送ってしまったメッセージを「完全になかったことに」を叶える夢のようなアプリ。テクノロジーで増大した「制御不能のコミュニケーション」から、ヒトはコントロールを取り戻せるのか。

衝動的に送ってしまった誤爆メッセージを“完全に”なかったことに

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 昨年末、LINEが「送信取消」機能を追加したことが話題に。ただ、一度送ったメールを取り消すことはできるのだが、「メッセージを消した」という通知は履歴として残ってしまう。つまり、いったん送ったメッセージ内容は取り消せても、行為そのものは取り消すことはできない。

 テクノロジーによりいつでもどこでも手軽にコミュニケーションがとれるようになった。一方で、その手軽さにかまけて「メッセージを送る」という行為に対してやや緊張感を欠いているのかもしれない。隣の人と軽く雑談するような気軽さが魅力のLINEやチャットの場合は「特に」ではないだろうか。

 仕事上でもプライベートでも「送る相手を間違えちゃった」系のミスは痛い。が、衝動的に送ってしまった「余計なひと言」系もそれはそれで辛い。「あんなこと言わなければよかった。なぜ思い留まれなかったのか」と後悔しても後の祭りである。精神状態の乱れや酔った勢いで、友人や家族、昔のパートナー、最近出会った気になるあの人へ、衝動的に送ってしまったあのメールのこと…。神様、どうかなかったことにしてくれませんか。

酔うと妙なメッセージを送ってしまう人や、夜は感情的になりやすいという人におすすめ

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「私も昔の彼にうっかりメールを送ってしまって…」と話すのは、誤送信防止アプリ「オン・セカンド・ソート(On Second Thought)」を創始者メイシー・パターソン(Maci Peterson)。彼女は創設したきっかけについてこう語る。

きっと、送ってしまったメッセージを取り消せるアプリがあるに違いない、と思ってグーグル検索をしてみたのですが、それらしいものがまったくヒットしなくて。友人たちにも手当たり次第聞きまわったのですが誰も方法を知らない。それで、自分でつくろうと思ったんです。二度とあんな恥ずかしい思いはしたくなかったので」。

 2014年、テクノロジーとスタートアップ企業の祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」のコンテストで賞を受賞した後にベータ・バージョンを発表して創設。現在、アプリはグーグル・プレイから購入可能となっている。

 すばらしいのは、相手がこのアプリを持っていようといなかろうと関係なく、自分の送ったメッセージを取り消すことができるということ。相手に「〇〇さんがメッセージの送信を取り消しました」といった文言が表示される心配もない。
 特に注目すべき機能は「Curfewed Messages(カーフュード・メッセージ)」。この機能をオンにしておけば、その間に送信したメールは、翌朝まで相手に送られることなく保存状態にすることができる。翌朝、頭が冴えたときに、再度そのメッセージを送るか送らないかを確認できるとあって、「酔うと妙なメッセージを誰かに送ってしまったり、夜は感情的になりやすいという人におすすめ」と話す。

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 このアプリ開発の根幹には「便利なメッセージ機能、つまりテクノロジーからコントロールを取り戻そう」という考えがあるという。便利な時代だからこそ、ヒトがコンピューターの支配権を握ることが大切、というのは様々なことにいえる思想かもしれない。

 コンピューターのような機械は感情を持っていないゆえ、便利に使える。しかし、そのぶん人間の軽率な行為に容赦のない制裁を加える。一長一短。この「短」があるから、じゃあ、便利なテクノロジーを手放そう、ちょっと電源を抜いてみよう、とはならない。いや、もうなれないのかもしれない。ヒトがテクノロジーからコントロールを取り戻すのに、「新たなテクノロジーをつくって使う」というのは皮肉か。それとも賢い選択なのか。

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Text by Chiyo Yamauchi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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