胸の変化とTPOにあわせて〈変幻自在なスポブラ〉。運動中、生理中、妊娠中、週末にキュッと締めたりウンと緩めたり

「女性の体は一人ひとり違い、そして絶えず変化しています。なので、彼女たちがそれぞれ自分のニーズに適応できるブラジャーを作りました」
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女性の胸は千変万化だ。年齢を重ねるとともに変わっていくだけでなく、日常のなかでもそう。生理中は胸が張ったり、妊娠中にはサイズが変わり、また出産後の搾乳の時期も日々変わる。その時々にあわせてブラを使い分けている人ってどれくらいいるんだろう。
胸の変化だけではななく、TPOでも使いたいブラは変わる。たとえば、オフィス勤務中は通常のブラを着用していても、退社後ジムに通うとなれば胸を支え揺れを抑えてくれるスポーツブラに着け変えた方が快適だ。週末の自宅や近所くらいのお出かけだったら、極力締めつけないものを使いたい。

体の変化に合わせたり、1枚で日々の生活シーンに合わせて調整できる、快適なブラが最近できました。スタートアップ「Molly T.(モリー・ティー)」が開発した、着け変えずとも簡単にサイズを調節できるブラが。フックや肩紐で調節する従来のものと違い、さらしのように巻きつけて両脇の下にあるマジックテープで固定する、包み込むタイプの斬新なデザイン(特許取得済み)だ。

 いままでになかったブラの着想は、何百年もの間変化してこなかったこれまでのデザインにあった。従来のブラは1914年に特許を取得、16世紀の女性たちが着用していたコルセットの既存のデザインに基づいたもの。そこから脱却するようにデザインを一新し、根本からブラを再構築。TPOに合わせてサイズを調節できるように。素材は、米国環境保護庁が認定した、吸水性・吸汗性に優れ環境にもやさしいキトサンテ配合生地を使用。サイズはS(B70)からXXL(95F以上)を揃え、一着98ドル(約1万円)で、ウェブサイトから購入できる。


6300億円のスポブラ市場の新たな刺客に?

 ブラ市場に対し、「デザインの選択肢は多すぎるけど、サポート力にすぐれたものは少なかった」とは、創設者のモリー・オコノー。大学時代はサッカー選手だった彼女、理想的なブラがなかったため、仕方なく自分で繕っていたという。「チームの中には、しっかり胸を支えるため、スポブラを二枚重ねにしている選手もいました。でもフィールドを一歩離れれば、それではキツすぎて」。この経験を活かし、発売までに多くの試作品を作成、アスリートを含む幅広い女性に試着してもらった。

 近年セルフケアやヨガなどの流行により、普段からレギンスやスニーカーなどをカジュアルに着こなすアスリージャーも熱は冷めず。それと相まってか、世界のスポブラ市場の競争は激しく、その売り上げは2018年で63億ドル(6300億円)。2025年末までには142億ドル(1.4兆円)に達すると予想されている。ナイキやアディダスなど定番スポーツブランドが牛耳る一方で、リーボックも、動くとしっかり胸にフィットし動きをとめるとやさしく包むスポーツブラ「ピュアムーブブラ」を発売。NASAの宇宙服にも使用されている“高い負荷がかかると固体になる液体”を応用し、3年かけて開発したものだ。


 毎シーズン何千もの新作が市場に出回るブラジャー業界。「どれだけセクシーにみせられるか」を重視してきた「ヴィクトリアズ・シークレット」、そして締めつけ下着に対し「そんな肩に力を入れなくてもいいじゃん」と、着用する人の快適さを一番に考え作られた「エバーレーン」や「ライブリー」など新しいブランド勢。そのなかでも、1枚でTPOに合わせ調整できるブラはまた新しい選択肢だ。柔軟性と汎用性の高いモリー・ティーは女性のさまざまなライフスタイルに寄り添う。「生理中でも、ランニングしても、授乳の前後もこれ1枚で大丈夫」と、女性の生活とちょっとした体の変化に気を配り、いままでにない心地良さで包み込んでくれる。

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All images via Molly T.
Text by Yu Takamichi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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