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  • Jul 3, 2018

「私は将来、妊娠できるの?」いまじゃないけど“いつか”を望む彼女たちへ向けて〈自宅で検査キット〉が誕生

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「私たちの調査によると、86パーセントもの女性が『将来妊娠できるか』不安を抱えているんです」

高額な費用と病院へ行くハードルの高さを理由に、「もしかしたら妊娠しづらいのかも…」と不安を抱きながらも、検査に踏み切れない女性は多いという。
遺伝子検査キットや生理日予測アプリなど、“自分の身体のことは、まずは自分で検査”を可能にしたツールが普及している近年、妊娠の検査も同様にできたら?

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Image via Modern Fertility

「自宅で」を可能にした検査キット(パッケージもかわいい)

「2年前、病院で不妊検査を受けたんです。受け取った検査結果は小難しく、データの読み方もわからない。おまけにかかった費用は1,500ドル(約17万円)でした」

 米国では、病院での不妊検査に800ドルから1500ドル*(約9万円から17万円)もかかるうえ、米国内には不妊クリニックが約500軒しかない(単純に考えたら1州に10軒しかない)。さらに、クリニックに行く際には、9ヶ月から12ヶ月以上のあいだ妊娠できなかったことを証明しなければならないらしい。妊娠しづらいとわかった後に続く治療に不安を抱く女性は多いだろうに、金銭的にも時間的にも負担が大きいとなれば「ちょっとクリニック行ってみようかな」にはならないだろう。

*検査の種類、検査した州(州により規制が異なる)、保険が効くかによって(ほとんどの場合効かない)値段は異なる。

 そこで誕生したのが、検査キット「モダン・ファティリティ(Modern Fertility)」。手頃な価格で「私は妊娠できるの?」の問いに、まずは自宅検査で確認できる。考案者は、遺伝子検査キット「23AndMe」の元プロダクトマネージャーのアフトン・べチェリーと、Uberのヘルスケア部門「Uber Health」に携わっていたカーリー・レーヒー。アフトンは、先の不妊検査に大金を支払った張本人。199ドル(約2万円)の自宅で「自分の体と妊娠について」を検査できるキットを開発した。


 検査キットとはわからない手に取りやすいパッケージデザイン、使い方もわかりやすい。

1、キットをオーダー(中身がわからないような梱包で送られてくるという配慮)

2、指先から血液を採取し同社に返送

3、研究員が最大10種類の妊娠に関するホルモン値を分析(提携先のラボに送ることも可能)

4、数日後にサイトの個人アカウントかアプリで結果を閲覧する
(結果からは、卵巣内にある卵子の数や体外受精の見込み、卵子が冷凍保存可能か、早期閉経になる可能性があるのかといった、妊娠に関わる指標までわかる)

「どうしたら妊娠を避けられるか」から「どうしたら妊娠できるのか」のライフステージ

「女性たちは、若い頃からこれまでずっと『どうしたら妊娠を避けられるか』に集中していました。なので、『どうしたら妊娠できるのか』に関する情報量が圧倒的に少ないのです」

 彼女たちの言う通り、確かに私たちがティーン期でより「ピルにコンドーム」と避妊を前提に頭に叩き込んできた。そのあとは、子どもを産みたいという気持ちが芽生えるまで真剣に「自分は妊娠できるか」と考えること機会はなかなかない。「たいていの女性は自分が妊娠するのが難しいとわかるまで、知っておくべき情報を知らない。この無知が手遅れになることもあるのです。この現状を変えるためには、まず自身の身体に関する情報を知っておくことが重要です」


Should we all take prenatal vitamins? Dig into the supplement science with us! —link in bio ^

Modern Fertilityさん(@modernfertility)がシェアした投稿 –

「妊活」の言葉が当たり前のように飛び交う日本でも、6組に1組のカップルが不妊問題に直面しているという。さらに、不妊治療を受けている患者数が世界第1位にもかかわらず、その治療による出産率は世界最下位だ。
 モダン・ファティリティのターゲットは、“いまじゃないけど、いつかは子どもを産みたい”女性たち。その誰もが検査キットにアクセスできるよう、今後は社員を増やしながらさらに研究を進めていく予定だ。

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Text by Yu Takamichi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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