“お釣り自動投資”に、ロボット家計簿で“ムダ遣い自動削減”。貯蓄できない世代の味方「フィンテックアプリ」
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社会人デビューとともに、“学生ローン完済まであとウン10年”の道もスタート。でも、コーヒーへの出費はやめられないし、SNSに絶え間なく流れてくるリア充ポストに触発され、日々浪費はかさむ。数少ない休みには、旅行にだって行きたい。

目先のことに財布は緩みがちで「貯蓄ができないミレニアルズ」というレッテルを貼られてきたこの世代。“従来とはまったく違う価値観の新世代”ともてはやされた数年前には20代を謳歌したミレニアルズも、気づけば結構いいお歳。先輩ミレニアルズ(30代)を筆頭に「あれ、このままじゃちょっとまずいかも」と考えはじめた。
焦りはじめた“貯蓄できない世代”に現れたお助けマンが、スマホで楽に(これが大事…)貯蓄できるスマホアプリたちだ。

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Image via Lilly Rum

お金の未来を変える「フィンテック」って?

 若者の間で浸透している個人間送金サービス「ベンモ」や、アイフォンがお財布替わりになる「アップル・ペイ」(昨年末から日本でも導入)然り。近年、現代人(特に若者の)スマホ画面を覗けば、かなりの高確率で“フィンテック”アプリが見受けられる。

 フィンテックとは、ファイナンス(Finance)テクノロジー(Technology)の二語を併せた造語で、テクノロジーを駆使した新たな金融サービスのこと。ちなみに ビットコインでおなじみの仮想通貨もフィンテックだ。
「お金の未来を変える」と囁かれ、あらゆる企業が続々と参入するいま、最も拡大する産業の一つ。そしてこれがまた、デジタルネイティブなミレニアルズとの相性がかなり良い。事実、ミレニアルズの動向調査プロジェクトによると、米国の73パーセントのミレニアルズが「従来のメガバンクよりも、アップルやグーグル、アマゾンなどテックカンパニーの金融サービスの方に興味がある」と回答している。そんなミレニアルズのラブコールに対するアンサーのように、フィンテック業界は「貯蓄ができない」「お金がない」という悩みを助太刀するアプリを提供する。

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Image via Carli Jeen

“お釣り投資アプリ”に、財布の紐を握ってくれる家計簿アプリ

 現在200万以上のアカウント登録があり、米国内マイクロ投資アプリで最も急成長を遂げたといわれる「Acorns (エイコーンズ)」は、「莫大なお金がなくたって投資はできます」とミレニアルズに囁く。ペイパルや楽天から3000万ドル(約33億円)の資金調達に成功した注目アプリは、ズバリ「会計のお釣りを投資しておきます」というもの。デビットカードやクレジットカードと連動し、オンラインショッピングの際、支払いの1ドル未満の端数を集め、それを投資に回す、という仕組み。
 たとえば、30ドル23セントの買い物をしたとすれば、31ドルが引き落とされ、端数77セントが投資*の積み立てになる。さらに、ロボアドバイザー**がユーザーにとって最適な資産運用を行ってくれるという。“それなりの知識とまとまった資金が必要”という面倒くさそうなイメージの投資を、“お釣りで誰でもはじめられる資金運営”というイメージに刷新。ミレニアルズにバッチリハマり、現在、ユーザーの75パーセントが18歳から34歳で占める。

*投資には数パターン用意されており、大企業株、小規模企業株、新興成長市場株、不動産株などに投資できるようになっている。
**コンピュータプログラムがアルゴリズムやデータによって最適な資産運用のアドバイスをすること。

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Image via Jacob Ufkes

「家計簿」も、いまでは勝手がまるで違う。アップルが選ぶ「2017年度版:私たちが愛するアプリ」に選ばれた家計簿アプリ「Clarity Money(クラリティ・マニー)」は、AI(人工知能)とデータサイエンスで「無駄遣いを洗いざらいにします。それを貯蓄しましょう!」という、すごいやつ。たとえば、契約したきり利用していない不要なオンデマンドサービスの契約解除(これ、結構あるよね)や、携帯プランなどの削減可能なオプションの提案。自身の銀行口座やクレジットカードがリンクされているため、使用状況から「ここ、使いすぎでは?」「この出費減らせますよ」と、各ユーザーの収入と支出に合わせて資産運用アドバイスをしてくれる。これ、すごい。各個人に小さな会計士がついちゃう感じ?
昨年末のサービス配信から、わずか8ヶ月で50万人を超えるユーザーを獲得している。ボタン一つで家計簿整理してくれるしアドバイスもくれるしで、これなら貯蓄の第一歩になりそう。

そろそろ貯金が気になる歳に

 ミレニアルズの収入減*は、近年の「マイホーム離れ」や「車離れ」にも顕著に現れている(資金難だけが理由でなく、単にシェアハウスやカーシェアというスタイル自体が性に合うというのも大きいが)。ライフスタイルや価値観も変わり、「20代で結婚」や「30代でマイカー・マイホーム購入」など、従来からあったライフステージ毎の目標やそれを達成するための貯金目標に対しても、さほど興味がない。

*米国ミレニアルズの平均年収は、親世代であるベビーブーマーたちの若い頃と比べ、20パーセントも減少している。ロンドンのミレニアルズを対象に行った調査では、約40パーセントが「最も喫緊(きっきん)の課題は“お金”」と回答した。

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Image via Gyorgy Bakos

 しかし、ミレニアルズもいい歳。これまでのお金の使い方を見直し、これからの使い方・貯金を考えていきたい時期だ。今後、年齢を重ねていくミレニアルズのスマホ画面に、フィンテックアプリのアイコンが増えていくことは間違いない。

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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