【今週のZINE】ゲイの日常を“ギュッ”。苦しい恋心、性生活もあけっぴろげなコミックジン『ART FAG(アート・ファグ)』   

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ふと通勤電車の中で見かける、可愛い女の子。あーだこーだと、知る由もないキュートな赤の他人の「日常」を勝手に連想するのはいい暇つぶしだ。
女の子の日常よりも時として気になるのは、芸術のみならずさまざまな分野で活躍する同性愛者の日常。彼・彼女らの日常も覗いてみたいと思うのは、筆者だけだろうか?

ART FAG 4 for heaps

 イギリス人イラストレーターSina Sparrow(シーナ・スパロウ)作『ART FAG(アート・ファグ)』は、気になる「同性愛者の日常」が綴られたコミックジンだ。

 作者であるシーナはもちろんゲイ。幼い頃からコミックを描いてばかりいる少年で、日常の出来事や感情を題材に16歳からジンを作りはじめた。

ART FAG 2 back cover for heaps

 時は流れ20年。昼はフルタイムの仕事、夜はDJ・イベントオーガナイザーと忙しない生活の中でも、シーナは隙間時間を見つけジン制作を続けている。

 彼の日常は、

「ゲイの出会い系アプリと決別したある夏の夜」のことだったり、

Even if no one else does Thursday 9th August 2012 diary comic color
Summertime Sadness Aug 17 diary comic Color

「ダルストン(ロンドンのお洒落な地区)のクラブには行きたくない。なんでかって? 彼が他の人とキスをしている現場を目撃するリスクなんて背負いたくないから」なんていう、乙女心あふれるものまで。

I don't want to go out clubbing in Dalston for heaps

 “絵日記”と形容するジンには、リアルで等身大なゲイの本音やライフスタイル、街での人間観察、性生活の赤裸々話が描かれる。

 他人の日常は、自分にとっての非日常。予期せぬ発見は驚きや教訓、新たな価値観をもたらしてくれる。同性愛者もノンケの人も「ある同性愛者の日常」を手にとって、非日常を発見してほしい。

Art Fag

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All images via Sina Sparrow
Text by Shimpei Nakagawa

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