「“違う”ことに驚くほど嫌悪感を示す僕の国」23歳、同性愛厳禁への挑発。タブーだらけのウェブマガジン『A Nasty Boy』

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世界でもっとも同性愛に厳しいといわれる地域の一つがアフリカだ。2017年現在もなお、アフリカ大陸にある54ヶ国のうち、38ヶ国で同性愛が“非合法”、ナイジェリアでいえば13年に同性婚禁止の法案が可決。同性愛が発覚すれば、14年以下の懲役が課せられるというのだ。

A Nasty Boy : Ofure Ighalo
A Nasty Boy/Ofure Ighalo

 この状況にアフリカのクリエイティブなクィアキッズたちは黙っていなかった。ナイジェリアのLGBTQシーンに焦点を当てるファッションオンラインマガジン『A Nasty Boy(ア・ナスティ・ボーイ)』。「職場で開くとマズいものもあるからね」と挑発的だ。
 
「ナイジェリアはとても保守的な国。“違う”ということに対して驚くほどに嫌悪感を示すんだ」。いわゆる“男の子”ではなく、人と違うことを理由にずっといじめられっ子だったという、同誌ファウンダーのリチャード・アクソン(23歳)。若いながらも自身の経験を元に、アフリカにこびりつく“違いに対するアレルギー反応”と闘おうとマガジンを立ち上げた。

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Zeus Feni:Owethu Mentoor
Zeus Feni/Owethu Mentoor

 同誌面には、ナイジェリア発のファッションブランドを纏いアイメイクをキメた息を飲む美男子に、ヌードフォト、尖ったワードチョイス。公共の場でのヌード表現なんてもってのほかな土地において、彼らのクリエイションがどれほどセンセーショナルで、物議を醸すかは想像に容易い。

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Wavy The Creator @wavythecreator

 同性愛に対しての弾圧に臆するどころか、挑発をかます『ア・ナスティ・ボーイ』。いい意味で生意気に啖呵を切る若き彼らの“nasty”は、本来の意味の“不快”でなく、スラングの“最高にカッコいい!”を個性豊かに体現しているのだ。

A Nasty Boy

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Text by Shimpei Nakagawa
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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