片田舎のアンダーグラウンドからコンニチワ。「みんなのためにフルタイムでウィード巻いてます(超稼いでます)」
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ネットにあげた一枚の写真が話題になり、現在インスタグラムは237kのフォロワーを誇る「アーティスト」になった、27歳のトニー・グリーンハンド(Tony Greenhand)。彼が目下作るのは「Smokable Art(吸えるアート)」、フルタイムでウィードを巻き(作品を作り)、超稼いでいる(※合法の州です)。

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ただ巻いて吸うだけじゃ、写真映えしないじゃん

 いまや237kのフォロワーを有するインスタグラムのアカウントだが、過去に5回以上削除された。理由は「ウィードを販売している人だと思われたから」。あれ、そうじゃないの? と思いきや「そうではない」らしい。

 スパイダーマンやピカチュウなど、ジョイント(喫煙のために紙巻きたばこのように大麻を紙で巻いたモノ)とは思えない、フォトジェニックなジョイントを作ることで知られるトニー・グリーンハンド。もちろん、グリーンハンドという名は本名ではない。

 吸いはじめたのは約10年前。いまは、世界中からラブコールが絶えないプロの“ジョイント・ローリング・アーティスト”も、当初は「周りのヤツより(巻くのが)ヘタだった」と振りかえる。
 ある日、遊び半分で作ったロケット型のジョイントが友人たちに大ウケ。「おまえ、こういうのをウェブに載せたらいいんじゃね?」と言われ、掲示板サイトReddit(レディット。米国版の2ちゃんねると表現されることが多い)に、作品の写真を一枚載せてみたところ、「翌日には、米国内外から『作って欲しい』というコメントが殺到」。噂はあっという間に広がり、様々な国のウィードブログやマガジンに取り上げられるようになった。

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無論、すべて100パーセント吸えます。

 本格的にフルタイムで活動しはじめたのは3年ほど前。それまでは、ウィード栽培と種子のブリーダーなど「やりたいことを適当にやっていた」という。その “やりたいこと” の一つに「粘土遊び」があったことが、いまのスカルプチャーのスキルに繋がっているそうだ。「粘土をいじってるだけじゃ食っていけねぇなって思って。どうせ作るならもっと人が日常的に使うものがいい。それで、ふと考えたんだ。粘土じゃなくて他の素材を使ってスカルプチャーをやればいいんじゃないかって。で、ウィードならみんな吸ってるしおもしろそうだと思った、ってわけ」

▶︎実際の制作現場

いまやセレブリティのパーティーの必需品?

 使用する材料は、市販のロールペーバーの他、トウモロコシの皮やバナナの皮など、100パーセント吸えるものを使用。そのため、ピカチュウもスパイダーマンもすべて吸うことができる。
 また、ペーパーをつなげるための糊は、芋類にふくまれるペクチンという成分を水に溶かしたものだそうで「ドミニカ共和国のシガー工場を訪ねたら、彼らが芋のペクチンを使っててさ。その知恵を試したらうまくいったから」と研究熱心な一面も。「必要な道具はほとんど揃ったから、いまなら何でも作れる気がする」と自信をみせる。

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これにいたっては100%ウェアラブルだそう。

 顧客には、有名ヒップホップアーティストたちやセレブリティが名を連ねるも、「俺は田舎育ち(オレゴン州アルバニー在住)だし、流行とか疎いから、誰が有名人かよくわからない。だから、オーダーしてくれた人はみんなセレブリティだと思って接してる」と、嘘か本当かわからない、ミレニアル世代にしては意外な発言も。
「飛行機代出すから来て!」というオーダーが海外から初めて入った時は「パスポートを持ってなくて行けなかった」とも。素朴か?

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Tommy Chongというジョイントを吸う、Tommy Chong本人。

 40時間かけて作ったリアルサイズのライフル銃型のジョイント(中には8オンスのマリファナが入っている)は、なんと7000ドル(約77万円)で売れたとか。「その人が何者かは知らないけど、俺に連絡してきた2日後にプライベートジェットに乗ってオレゴン州まで取りに来たよ」。どうやら、アンダーグラウンドにはアンダーグラウンドのやり方があるらしい。

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 値段は「モノによるし、その時どれだけ忙しいかによる」。だいたい時給50ドル(約5500円)が相場。「でも、アイデアがぶっ飛んでておもしろかったら材料代だけでもいいな。あと、友だちとか実際会っていいヤツだったら、金のやり取りってより、なんかをトレードすることが多いかな」。なんとも大らかなスタンスで活動しているのは「やってて楽しいから!」に尽きる。「ウィードの魅力はそこにあるだけで、人と人が繋がっていくってこと。最高だよ」
 確かに、彼が作った奇想天外な「一晩中、みんなで吸えるジョイント」があれば、どんなパーティーも盛り上がらないわけがない。

「これからは、仕事は自分で作る時代だ」と誰かが言っていたが、こんなハッピーな事例がほかにあるだろうか。一躍、人気者となったいまは「休みなし」。
「休んでいたとしたら、その日は俺の誕生日か彼女と過ごすための日だね」と軽快な喋りも彼の魅力。わかってやってるのか、天性のものなのか、そこらへんは謎であるが、時代にフィットしていることは間違いなさそうだ。

※1ドル110円で換算

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Tony Greenhand

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All images via Tony Greenhand
Text by Chiyo Yamauchi
Edited by HEAPS

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