スイスの辺鄙な町に開館した「元修道院の現代アート美術館」初展覧会テーマは〈“フェミニン”をもう一度考えてみる〉

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今回紹介するのは、新しくスイスにできたスーシュ美術館にて開催中の展覧会、「A Woman Looking at Men Looking at Women」。開館を記念しておこなわれる最初の展覧会では、美術館の創立者でポーランドの起業家・美術品収集家、女性への支援もおこなうグラジナ・クルチェクが中央ヨーロッパで収集したプライベートコレクションを中心に、ジェンダーや社会規範に疑問を投げかける作品を展示している。

同展覧会、ひいては同美術館の目的は「近年になってようやく認識されるようになった女性アーティストの功績を正当に評価する」ことだが、くわえて「フェミニン」という言葉の社会的、政治的、文化的な多様性についても探求している(ちなみに展覧会の題名は、「a work of art has no sex(アートにジェンダーは存在しない)」と綴ったこともある米女流作家シリ・ハストヴェットのエッセイから)。アムステルダムの女性画家マルレーネ・デュマスや、セクシャルアイデンティティなどをテーマにする画家アイダ・アップルブロッグ、女性の身体などを題材にしたポーランドの彫刻家アリーナ・シャポツニコフなどの作品が集結する。

スイス東部、自然豊かなエンガディン地方の小村スーシュにできた美術館。注目すべきは作品だけではない。展示場所はホワイトキューブ(作品に集中できるよう、他の要素を一切排した白いだけの空間)だけがよい、という観念はもはや古いのだろう。安藤忠雄による直島の建築群にも影響を受けたとされているこの美術館は、自然に囲まれた12世紀の修道院の敷地内に存在している。ぱっと見る限り、外からはどこが美術館なのかわかりづらい造り。実際に中に入ってみると岩肌が露出している半地下のスペースに作品が鎮座していたり、温かい木目調の天井のもとアットホームな空間に絵画が展示されていたりと、展示手法も工夫を凝らしている。今年のはじめに開館したばかりだが、来館者が絶えず、すでにリピーターも続出だ。





Alina Szapocznikow, Headless Torso, 1968, polyester, polyurethane, collection of Zachęta -National Gallery of Art.

Geta Brătescu, Hypostasis of Medea, VII,I 1980, coloured sewing on textile, 85 x 60 cm, Hauser & Wirth Collection, Switzerland

Laura GrisiSubway, 1967neon, plexiglass, aluminium, sliding panel163 x 103 x 22 cmGrażyna Kulczyk Collection, Photo: Carlo Favero, courtesyP420, Bologna

Ida Applebroog, The Ethics of Desire, 2013, ultrachrome ink on mylar, 6 panels, 299.7 x 655.3 cm, Private Collection© Ida Applebroog. Courtesy Hauser & Wirth Photo: Genevieve Hanson

Birgit Jürgenssen, Nest, 1979/2002, photograph, 50.5 x 73 cm, Grażyna Kulczyk Collection© Estate Birgit Jürgenssen, Vienna Courtesy of Alison Jacques Gallery, London, and Galerie Hubert Winter, Vienna

Marlene Dumas, Mandy, 1998, ink, acrylic on paper, 125 x 70 cm, Grażyna Kulczyk FoundationCourtesy Galerie Isabella Czarnowska, Berlin

Andrzej Wróblewski, Mother with Dead Child, 1949, oil on canvas, 120 x 90 cm, Grażyna Kulczyk Collection


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