グロテスクだけど目が釘づけになる。アクリル絵の具で重ね塗られた〈SNS、ネットに散らばる“私たちのデジタルイメージ”〉

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今回紹介するのはMOMA(ニューヨーク近代美術館)で現在開催中の「Gina Beavers—The Life I Deserve」。近年注目を集めている1974年生まれのアメリカ人アーティスト、ジーナ・ビーヴァースの作品を展示している。

ジーナのインスピレーション源は、独特だ。「#FoodPorn(日本でいう、いわゆる飯テロ)」画像や、メイクのチュートリアル動画、みんなで食事をしている写真など、インターネットやソーシャルメディア上のデジタルイメージに材を得ている。現代を生きる私たちからすると見慣れた生活の一部。しかし、分厚いアクリル絵の具の重ね塗りによって表現される私たちの生活や体の一部は、どこかグロテスクで不安感をあおるような作品へと生まれ変わっている。まるで、私たちの現実の世界と、ネット上での理想な生活がかけ離れていることを表しているよう。キャンバスの上にはソーシャルメディアに散らばる私たちの欲望や大量消費社会、そして一瞬で過ぎ去っていくトレンドが歪められて表現されている。

彼女の作品を目の当たりにしたとき、私たちはどう反応するのだろうか。きっと居心地の悪さを少しばかり感じながらも、スマホで作品をパシャリ、ハッシュタグをつけてソーシャルネットワークに「理想的な休日を過ごした」とでも言わんばかりに投稿するのではないだろうか。


Gina Beavers. Dice Nails. 2014. Acrylic on canvas panel with wood frame. Courtesy the artist


Gina Beavers. Kimchi Hot Dogs. 2014. Acrylic and wood strips on canvas panel. Courtesy the artist


Gina Beavers. Local Pasteurized Beef. 2014. Acrylic on canvas. Courtesy the artist


Gina Beavers. Mona Lisa Nail. 2015. Acrylic on linen panel. Courtesy the artist


Gina Beavers. Cake. 2015. Acrylic on canvas panel. Courtesy the artist


Gina Beavers. Smoky Eye Tutorial. 2014. Acrylic and wood on canvas panel. Courtesy the artist


Gina Beavers. Tag Yourself. 2016. Acrylic on canvas panel. Courtesy the artist


Gina Beavers. Who Has Braces? 2014. Acrylic and wood on canvas panel with wood frame. Courtesy the artist

Text by Anna Sasaki
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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