近年、急速に広がりをみせるグランピングやポップアップホテルに足並み揃えるように、ミレニアルズの間で起こる近年の“空前のキャンプブーム”。そんなキャンプの醍醐味の一つに挙げられるのは大自然にこだわり料理を持ち込む「キャンプ飯」。インスタで「#キャンプ飯」と調べればざっと8万ポスト以上だ。とは言うものの、近年のキャンプブームを牽引すると言われるミレニアル世代の初心者キャンパーたちにとって、アウトドアはじめの一歩の火起こしさえ(というか、こそ?)難易度高めなのではないだろうか。筆者も火を起こせる自信はない。
そんな(筆者を含む)初心者キャンパーに必見なのが、調理器具「Go Sun(ゴー・サン)」。何がすごいかって? この筒さえあれば山でも海でも、川でもボートの上でも火や電気、燃料いらずで、“焼く、蒸す、沸かす”ができるのだ。
元々、ソーラーエネルギー事業に携わっていた同プロダクトの開発者パトリック。ある日、床に転がっていた掃除機のチューブを見て閃いた。「ソーラーパワーを用いれば、このチューブで俺の昼メシが温められるのでは」。日常においての些細で、かつ突飛な気づきによって生まれたのが、ソーラーパワーを使った調理器具オーブン「ゴー・サン」。“火や電気、燃料いらず”、中心部にある筒状のグリルの中に食材を入れ、あとはお天道様の元に数分(量により数十分)置いておくだけ。信じがたいが本当にこれだけで“焼く・蒸す・沸かす”などの調理ができる。太陽光を効率よく集めるように設計されており、オーブンは最高290度に達し、雪山でも使用可能だ。燃料や調理器具もいらないため発展途上国などでも重宝され、利用者は60ヶ国にわたる。そして、新たにリリースされたのが、今年の四月に送付開始されるのが一番小さいサイズの「重さ0.9キロ、クラッチバッグ型(開くと同様の筒型オーブンが収容されている)」。これならバックパックにすら楽におさまる。
国連によると、毎日30億人以上(地球上の人口の40パーセント)が未だ木材を使用した焚き火で調理しているとされ、それに起因する森林伐採や過度な二酸化炭素排出は地球規模の深刻な問題。「そんな現代だからこそ、ソーラーパワーでの調理の重要性を認識してほしい」とパトリック。「地球に有害な物質を一切排出しませんし、何よりソーラーパワーで毎日調理をするならば、一世帯あたり年間2トンの二酸化炭素を節約できるのです」。アウトドア好きに“便利”を供給するだけでなく、地球環境保全にも一役賈うこのキャンプギア。日常でも、たとえば「魚と野菜を入れておいて放置」すれば簡単に鮭のグリルが食べられるし、ベランダ付き(あるいは日当たり良好の部屋)の一人暮らしには普段使いにもアリ、だったり?
—————
All images via GoSun
Text by HEAPS, Editorial Assistant: Tomomi Inoue
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine