1300年以上の歴史をもつ「和紙」。2014年には世界無形文化遺産に選ばれ、もはやWASHIとして世界に通用するまでになった日本の伝統工芸品だ。
アートの世界ではお馴染みである和紙だが、先月、和紙で作られた意外なプロダクトが世界で発売された。それがこちら、「W」。和紙をフィルムベースに使ったモノクロフィルム。
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Photo by Lomig Perrotin
「カメラフィルム×和紙」。この斬新な組み合わせを考案したのは、フランス人のLomig Perrotin(ロミング・ペロタン)。世界一小さなフィルム会社「Film Washi(フィルム・ワシ)」を立ち上げた、根っからのフィルムマニアだ。
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Photo by Lomig Perrotin
19世紀の写真技術の先駆者、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットが発明した「カロタイプ」と呼ばれる写真技法にインスパイアされ、自家製フィルムを作りはじめたロミング。
そこで必要となったのが、透明度が高く、現像過程で液体に触れても丈夫な強度の強い紙素材。トレーシングペーパーで試してもダメ…。悩むロミングが出会ったのが、書道にも水彩画にも使用され耐水性もあり、世界一長持ちする紙ともいわれている和紙だった。
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Photo by Lomig Perrotin
1年間の思考錯誤を経て、2013年にモノクロネガ「W」が誕生。一つひとつが職人の手作りだそう。
従来のPET(ポリエステルフィルム)に代わって和紙が使われているため、写真の出来も見事に違う。粒子が大きくコントラスト強めに仕上がり、ザラザラ感がなんとも味わい深い。スチール写真や都会の風景写真にうってつけだ。
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Photo by Lomig Perrotin
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Photo by Mikah Manansala
サイズは、通常の35mmフィルムや、中判カメラ用の120mmフィルム、大判カメラ用の4×5インチを用意。どんなフォトグラファーでも「W」を試すことができる。
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Photo by Lomig Perrotin
日本人ですら思いつかなかった発想で、日本伝統工芸品がクリエイティブに姿を変える。クラフト感満載の和紙フィルムで、いつもとは違うフィルムカメラの世界を探検してみては。
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Text by Shimpei Nakagawa and HEAPS