“同棲カップル”のお別れ後、引っ越し・新居探しその他諸々「代行します」ブレイクアップ・コンシェルジュという新しい職業

「この漫画はわたし、このiPadは...」というやり取りまで、やってくれるのか…?
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こんまりの「片づけコンサルタント」の大ヒットを機に、思いもしなかったことが新しい「職業」として成立する可能性を知った人も多いのではないだろうか。今回紹介するのは「ブレイクアップ・コンシェルジュ」。同棲をしていたものの別れてしまったカップルのいろいろ面倒な手続きを代行しますよ、という新しい職業・サービスだ。

同棲カップルのお別れにまつわる総合お世話係

 同棲カップルがお別れをし、別々の道を歩もうとするとき、どちらかが(もしくは両方が)家を出ることになるかと思う。しかし、家賃が高く、人口密度の高い都市では、そう簡単に「次の家」が見つからないことも。二人で折半していた家賃をどちらか片方が全額払うというのが「金銭的に厳しい」ケースもあるだろう。「気持ちは離れていても、同棲を解消できていない」というストレスは決して珍しいものではない。
 
 そんなストレスを少しでも和らげようと、今年のバレンタインデーにニューヨークで創業したのが「オンワード(Onward)」。共同創業者のミカとリンジーは、どちらもミレニアル世代で、同棲していたパートナーとのお別れからの新たなスタートを経験済み。「自分が当事者になって、はじめてその大変さを知りました」と振り返る。自身のニューヨークでのブレイクアップ(お別れ)経験を機に、「こんなに大変なのに、なぜ、お別れの後に次に進むための支援サービスがないのか」と考えるようになったそうだ。

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Coming soon, NYC! #onward

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オンワードのインスタグラムの、ローンチを告知したポスト。
ブレイクアップ(お別れ)はブレイクダウン(崩壊)じゃない、とメッセージ。

 
 “その時”になって、自分が当事者になり、はじめてやるべきことの多さや煩雑さを知る、という意味では、ブレイクアップは、海外留学や結婚、離婚、葬式などと似ている。留学の際は留学カウンセラーが、結婚の際はウェディングプランナーが、当事者の要望や予算に応じて、最適なプランを提案し、手続きを代行してくれるが、そういった専門のサービスがあり、そこに需要があるのは、やはりその道の専門家に任せた方が安心、かつ負担が減らせて楽だからだろう。

 ブレイクアップを経験した二人は、ここに「ブレイクアップ・コンシェルジュ」こと、同棲カップルのお別れにまつわる「総合お世話係」への需要の可能性を見出したという。

 ミレニアル世代は上の世代に比べると離婚率は低いが、「結婚前の同棲を試すカップルは増えている」。また、今後「ブレイクアップ・コンシェルジュ」への需要の高まりを予測する理由として、一般的に若い世代は「心身の健康のために、仕事だけでなく自分の時間を大切にする傾向がある」ことや、オンラインでフードデリバリーや家事などの「代行サービスを利用することや、人に助けを求めることにあまり抵抗がない」ことをあげる。

ストレスや負担はお金で解決して、「心のケアに注力して欲しい」

「ブレイクアップ・コンシェルジュ」がおこなうのは、パートナーと物理的距離をおくために「まず必要」となる、新しい住処やストーレージ、引越し業者の手配代行。リクエストや予算に応じて、新しい居住地でのドッグウォーカーやセラピスト、弁護士とのマッチングもおこなっている。この代行・マッチングサービスの狙いは、「ブレイクアップから新たなスタートを切るまでの工程を、できるだけ当事者にとってスムースにすること」にある。


オンワードのインスタグラム。心のダメージはちょっと遅れてやってくる?

 同棲を解消して、新しい生活をスタートする。本当の意味での心機一転を実現するのに必要な時間は人それぞれ。ただ、一刻も早く「スッキリしたい」「心の平穏を取り戻したい」という心持ちは、多くの当事者にとって同じなのではないか。

 ブレイクアップという経験を、なかったことににはできないが「そのストレスや負担を軽減する方法はたくさんある」。その方法というのが、上述のような「新しい住処への引っ越しの手配代行サービス」をはじめ、カウンセリングやセラピーなどの「セルフケア」サービスを利用することなのだという。ストレスや負担はお金でとっとと解決。そうすることで「当事者は心のケアと新たな生活に注力できます」。 
 
 彼女たちが提供するプランは3つ。もっともリーズナブル、かつニーズが高いものは、10日間に渡る、99ドル(約1万円)のプラン。物理的距離をおくための新居探しや引っ越し業者や、古い家具の処分、家具の手配などが中心となる。他には、30日や3ヶ月の長期サポートプラン(約2万〜5万円)もあり、これらには「心のケア」に効果的なサポートまでが含まれる。
 
 私もニューヨークで同棲解消からの新たなスタートを経験したことがあるが、 1〜5万円で、そのストレスから少しでも解放されるのであれば「安い」「必要経費だろう」と判断する人も少なくないのではないかと思う。

 辛いときほど「しっかり休み、エネルギーを新しい生活に向ける方が良い」と考えるのは、ある意味とても合理的。ステレオタイプではあるが、効率重視で無駄を嫌う、実にミレニアルズらしい発想のサービスではないだろうか。ニューヨークを皮切りに、今後はサンフランシスコやロサンゼルスなど、他の都市部にもサービスを拡大していく予定だそうだ。 

Interview Mika Leonard and Lindsay Meck

Illustration by Anna Sasaki
Text by Chiyo Yamauchi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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