なぜだか急に人気爆発。24時間で50万人が登録したSNS「VERO(ヴェロ)」機能より“居心地の良さ”が肝?

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今年の2月22日から数日間で爆発的にユーザー数を伸ばして話題になっているソーシャルネットワークのアプリVERO(ヴェロ)24時間で50万人が登録していることになる、という驚異的なペースだ。日本でも同月の26、27日あたりから登録者がじわじわと増えている様子。その動きは、22日から急に海外のインフルエンサーがヴェロにアカウント登録をしはじめ、自身のヴェロのアカウントプロフィールをインスタにポスト、「あれ、インスタでフォローしている海外のイラストレーター/フォトグラファー/アーティストetc…がVEROとかいうやつはじめてる。なんだろ」という流れのよう(VEROのVがわかりづらく、EROだと誤認したユーザーも多くいた)。

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 実は、ヴェロのリリース自体は2015年。が、当時は大した話題にもならず、つい2月の中旬までは“アップストア人気アプリ1500”にも入っていなかった。にも関わらず、なぜ急に今年の2月の22日から爆発的にユーザーが伸びはじめたのか。これについていまのところ確証のある明言はナシ。インスタグラム上での認知度はタケノコのようにグググンと上を向いて成長しており、現在、veroのハッシュタグは55万以上存在している(ほとんどが自身のプロフィール画面のスクショをポスト、ヴェロでもフォローしてね!というもの)。たった数日の間にユーザーが殺到してしまったものだから、アプリ側が対応できずにポストやログインできなかったユーザーが溢れ、アプリの評価はいまのところだいぶ悪い。

広告・アルゴリズム・ボット一切ナシ

 ざっくりいうと「インスタとフェイスブック」のあいの子。それがちょっと独自に成長しはじめた感じで、写真や自分の興味のあるものをヴェロ上の交友と共有していく。投稿が6つの項目<写真・リンク・音楽・映画/TV・本・場所>にわかれていて、シェアしたいものが写真なら写真、音楽なら音楽…と該当する場所にポスト。このポストにおいてインスタグラムとの最大の違いは、投稿ごとにリンクが貼れること。

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インスタよりも画質がいいというのも、まずはクリエーター関係の人間がヴェロを使いはじめた理由らしい。ポスト関連からアプリを離れずに買い物もできる。続けて、大きな違いについてをあげると、広告が一切なく、フィード上がアルゴリズムの介入していない時系列になっている。データマイニング*も一切する必要がない、とのこと。

*大量に蓄積されたデータから、傾向や相関関係などの情報を見つけだすこと。顧客動向の分析などの企業活動に使われる。

 また、既存SNSのユーザーから注目されているのが、公開範囲の設定が投稿ごとにできること。フェイスブックやグーグルプラスにもその機能自体はあったが、ヴェロのそれはいままでで一番使いやすい。<親しい友人まで・友人まで・知り合いまで・フォロワー全員>の順の同心円で設定できるのだ。うん、わかりやすいし簡単。

LS
ヴェロ上でつながる際に、まずは個々に「フォロー」か「コネクト」を選ぶ。
コネクトの場合は、さらにその相手が「親しい友人」「友人」「知り合い」かを選ぶ。
コネクトをリクエストされた相手もリクエスト送信者に対して同様に自由に深度を設定。
どれを選んだかは互いに通知されない。

で、お金はどうしてるの?

 無料アプリで広告一切ナシ、ってマネタイズどうしてんの? という点が疑問になるが、現時点ではまだらしい。「最初の100万人のユーザーは無料(そのあとの登録者についてはこれから検討)。のち、年間利用の料金を支払ってもらう可能性がある」を考えているとのこと。料金は数ドル程度を予定。

 立ち上げたのは、レバノンの実業家であり政治家(首相も務めた)のラフィク・ハリリの息子アイマン・ハリリ。彼自身も「アドが散乱してプライバシーポリシーが散々な既存のSNSにウンザリしていた」内の一人。そして、「もっと気楽に、そして自分らしく居られるソーシャルネットワークの場所があれば」とつくったのがヴェロ。たんなる新たなソーシャルネットワークというより「ヴェロはソーシャルで有るためのオンラインツールである」と強調し、「オンライン上でももっとbe yourself(自分らしくいる)」をコンセプトとしている。広告ナシ・運営側の都合上のアルゴリズムの介入をさせない、など「よりユーザー本意」を目指しているようにみえる(veroはイタリア語の“真実”)。

 公開範囲の設定やリンクづけ、買い物ができるなどの機能はこれまでのSNSですでにあったものであり、革新的な機能が追加されたわけではないと認めたうえで「ソーシャルネットワーキングにおいて、次の然るべきステップである」というヴェロ(人気がでても“企業の都合化”せず、プライバシーが保証され続け、ユーザー本意であること。についていっているのだと思う)。特に、インスタグラムのアルゴリズムの変更にウンザリしているユーザーが目立ち、新たな“より居心地のいいオンライン上の居場所”を求めてヴェロに(一時的に)腰を据えてみるのは自然な流れだろう。新しい革新的な機能よりも、いまユーザーが求めているのは余計な煩わしさがなく「信頼できる・使いやすい」など、使い心地なのかもしれない。だが、現在ヴェロにユーザーが急増したのも「海外のインフルエンサーがごそっと移動した」からなワケで、彼らが「やっぱインスタの方がいいや」となれば、どうなることやら。どれが使いやすいか、にくわえて「そこに誰がいるのか」がオンラインの交友関係を育む場所を決めるのに重要であり、さらに現実の交友関係も切り離しては考えられないとなると、とりあえずは様子見というところだろう。一時的な人気と「使い続けてもらう」は、別次元の話だ。

※※※【VEROについて、追加記事(3/14)】※※※
▶︎たった数日でユーザーが急増したSNSのVERO、次は「#削除しよう」新参の慌ただしすぎる一連

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Photos via VERO Press Kit
Text by Tetora Poe
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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