編集部が選ぶ今月のZINE3冊。テーマは〈忘れがたき女たち〉 ホラー映画界の際だつ31人の女性キャラクター、他

ホラー映画の女優さんのワンシーンって、ふいに思い出すことありません?
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1本ではたやすく折れてしまう矢も数本束ねれば、という3本の矢の話。雑記帳のわら半紙をホチキスどめしただけのジン、数ページに魂を込めて作ったジン。風に吹かれればなびく一冊が、何冊も集まれば確かな声になることもある。
世界一敷居の低い文芸で、ルールが存在しない世界一自由な文芸「ジン(ZINE)」。今月は、先週3月8日が国際女性デーだったことにちなんで、忘れがたき女性たちをイラストで紹介するジンを3冊。
プラカード掲げてストリートに出る姿にエールを送りつつ、ペンにハサミやホチキス片手に机上からジンを発信、てのもありだよね。

***

女性の映画監督の顔とキャラ、もっと知りたいよネ。

Women Make Movies


Image via Alex Kittle

タランティーノにスコセッシ、スパイクリーにスピルバーグ。有名な作品を作ってきた男性の映画監督ってメディア露出が多いから、作品と同じくらい顔もキャラも世に浸透してる。でも、女性の映画監督とくると、そうでもないよね。作品ほど本人たちのことが知られてないなあと思って」。マサチューセッツ在住のイラストレーター、アレックスちゃん。素晴らしい作品を残してきた女性監督についても、もっと知る機会を増やしたいと、昨年頭よりせっせとジン制作を開始。

もともと大の映画好き。10代で映画にハマって、「これまでに見てきた女性の監督の作品は600本以上」。現在は映画ポスターを作成しながら、女性の監督に焦点を当てた映画クラブも運営する、根っからの映画愛好家。彼女の処女作となる『ウーマン・メイク・ムービーズ(Women Make Movies)』は、18ページにわたりペネロープ・スフィーリス(73)やジュリー・ダッシュ(66)といった、各国から選出した15人の女性監督を紹介。代表作品の紹介に、手描きポートレート、それから彼女たちの名言を添えて。経歴や意外なトリビアを詰め込んだ、読み応え◎の一冊だ。作品はもともと知っている人たちも、監督たちの魅力的なキャラを通してもっと好きになるかも。




ホラー映画界。31人の際立つ女性たち

Women In Horror
Image via Emily N3ver

「2018年の9月30日の夜。リビングルームではじまった」。

あれ、なんか怖い。“ホラー映画界の女性たち”をまとめたジンを作る作者に、いつ頃作りはじめたの? と気軽に聞いたのに、ずいぶん鮮明に回答が来てしまって、ドキ。

『13日の金曜日』のジェイソンに『シャイニング』のジャック、『羊たちの沈黙』のレクター博士に『ソウ』のジグソウ。男性キャラクターが目立ちがちなホラー映画界にて「女性のキャラクターも、ヤバイのいっぱいいるんだよ!」とグイグイ主張するのが、ホラー映画に登場する女性たちキャラクターを描いたジン『ウーマン・イン・ホラー』。作者は、レンタルビデオ屋で働いていた姉の影響で「両親に禁止されるまで膨大な量のホラー映画を見まくっていた!」という、イラストレーターのエミリー姐さん。オーストラリアはメルボルンに住んでいる。オーストラリアとホラー映画、といえば、昨年『ピーターラビット』を見に親子が集まった映画館にて、怖すぎホラー映画の予告編が流れちゃって子どもたちが大騒ぎしたとかなんとかニュースになっていましたね(その映画は『ヘレディタリー(Hereditary)』でした)。

「ホラー映画に登場する女性たちにフォーカスしたジンって、私のリサーチでは見つからなくって」というエミリー姐さん。では今回、いったいどんな女性キャラクターを集めたのか? 『ゾンビ・ストリッパーズ』にてキャット役を演じた女優のジェナ・ジェイムソンや、『エイリアン』シリーズに登場する“架空の人物”エレン・リプリーまで。31人の女性キャラクターをフィーチャーした。「ホラー界でのさまざまな役柄で活躍する素晴らしき女性たちを、みんなで祝福しましょう」。
なるべく各国の女性の監督作品による女性キャラクターを選出したそうで。てことは、『リング』の貞子をフィーチャーした可能性は低いかあ…(聞くの忘れてしまった。田中秀夫監督の作品)。


カントリーミュージックでもっと知られた女性
ドリー・パートンの、知られていない名言集

The Quotable Dolly Parton

Image via Andy Wright

ビルボード誌のカントリー・チャートでは25曲が第1位を獲得し、グラミー賞を8度受賞。カントリー・ミュージックの第一人者、ドリー・パートン。これはドリー・パートンに捧げる1冊。美しい歌声同様、彼女から放たれるウィットに富んだ名言の数々を集め、手書きポートレートとともに20ページにまとめたもの。作者は彼女の大ファンだと豪語するサンフランシスコのジャーナリスト、アンディ。ドリーの自伝にアーカイブ記事、テレビやラジオ取材を読み漁り、掘りに掘り下げ、まだ世に知れ渡っていない(であろう)名言のみを選出した。アンディ一番のお気に入りは、アンディ・ウォーホルがドリーにウィッグをいくつ持っているのか聞いた際の、彼女の答え。

“I don’t know, I’ve got better things to do than count them.
But I wear one every day of the week, so probably 365.

(わからないです。ウィッグを数えるより、
もっと他にやるべきことがあるもので。
でも、そうね、毎日つけているから、多分365個かしら)”



Text by Yu Takamichi
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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