DAILY
  •      
  • Aug 26, 2016
【今週のZINE】思春期ど真ん中のクィア女子、本音炸裂。ちょっと過激にエッセイジン『Not Straight Not White Not Male』
Pocket

思春期といえば人生におけるもっとも多感な時期。「自分はいったいぜんたい何者なんだ」とアイデンティティは揺らぐ。

いまから4年前に作られたジン『Not Straight Not White Not Male(ノットストレート・ノットホワイト・ノットメイル:ストレートでも、白人でも男でもなく)』。
作者はロサンゼルスに住むベトナム系アメリカ人女子、Rosi Vo(ロズィ・ボオ)。

il_570xN.1029694265_nr9x

 絵も色もなし、文字だけで綴られたこのジンには、アジア系アメリカ人、女性、そしてクィアとして3つのアイデンティティの間で揺れた思春期真っ只中の、極私的な感情がそのままに書きとめられている(というか、ぶちまけられている)。

 エッセイのタイトルを覗いてみると、どれもストレートで少々アグレッシブ。
「サイアク人種差別主義者が私に言い放ったこと」
「ごめんね、母さん。ベトナム系アメリカ人としてアメリカに生きることって、クソ苛立つ」
「性的コンプレックスで服も選べない」

il_570xN.511262808_jqgg

 ジンを作る背景には、当時傾倒していた音楽シーンがあったのだとか。

「ストレート・エッジ(*)シーンでは、有色人種や女性、セクシャリマイノリティに対して決して寛容ではなかった」
 自分の居心地よいコミュニティなはずなのに、居心地が悪い。そんな状況にもアイデンティティの葛藤があったそうだ。

 *ロック音楽などにおける思想・概念・ライフスタイルであり、ハードコア・パンクのサブジャンル。「喫煙しない」「麻薬を使用しない」「アルコールを摂取しない」「快楽目的のみのセックスをしない」というのが基本的な理念。

il_570xN.540420061_h3ei

「当時のやり場のない気持ちをただただ書き綴ったの。4年という歳月を経て成長したいまは、あの時の私とは違う。でも未だにこのジンに共感する人も多くいるから、求めている人がいる限り届け続けるわ」
 
 思春期特有の悩みや不安定さに加えて、アジア系アメリカ人と同性愛者というふたつのマイノリティに悩む一人の女子が、怒りもやるせなさもボカすことなく書いたジン。
 ただ「自分のため」に綴った言葉は、4年経ったいま誰かの胸に突き刺さる。

▶︎オススメ関連記事

【今週のZINE】アメリカ版コボちゃん?笑いあり、ほろりありのほんわかダイアリーコミックジン『You Don’t Get There From Here』

「好きになったのが、たまたま女性だっただけ」。トランスジェンダーと恋に落ちた女性の話

▶︎▶︎週間人気トップ記事

村住まいのアメリカ人が世界に発信。日本の農村文化と田舎力のここがすごい!村情報誌『Sparkle』

「一冊5,000円の自由帳」が売れる、愛される。ブルックリンの手作りノートブック専門店「Twigg’s Bindery」

—————
All images via Rosi Vo
Text by HEAPS, editorial assistant: Shimpei Nakagawa

Pocket

il_570xN.1029694265_nr9x のコピー
この記事が気にいったら
いいね!しよう
HEAPS Magazineの最新情報をお届けします

You may also like...