13歳から17歳まで。ティーン限定SNSは「いいね」なし。世界12ヶ国2000万人の〈純粋な出会いと友だちづくり〉YUBO

「フェイスブック、インスタグラム、スナップチャット…すべてが偽りだ」。いいねもフォロワー数からも解放される、新しい友だちづくり特化型アプリが急成長中。
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「最近のSNSは、“ソーシャル(人づきあい)”と謳っているのに、全然ソーシャルじゃない」という声が増えれば、また新たなSNSがでる。
 フォロワーやいいねの数の評価から解放されよう、というのが新しいSNSサービスの共通したメッセージで、最近では「大人の、一歩踏み込んだ会話のためのあたらしいSNS」として星占い機能をおすサービスが出ていた。米国の若者からカルト的人気を集めている。

もうひと世代下にも、世界12ヶ国でユーザーを伸ばすSNSがある。ティーン向けで「新しい友だちを作ろう。ティーン以外は、入れません!」だ。

大人のSNSは“ポートフォリオ化”、ティーンのSNSは“孤独の温床”

 友だちをつくることが目的だったのに、いつからか「若者の孤独」の要因とも呼ばれるようになった。ある調査によると1週間にSNSへのアクセスが58回を超えるユーザーは、9回以下のユーザーと比べて、約3倍孤独を感じているという結果も。「インスタ映え」という言葉にもあるように、純粋に自分自身のことを伝えるというよりは、より見栄えに重点をおいたコミュニケーションツールになってきている側面もまた現実で、人づき合いというよりは表現の場に近い。最近では、自分だけが取り残される恐怖感・不安感を意味する「FOMO(フォーモ)」という若者言葉も生まれるほど、SNSはティーン世代の底知れない孤独感や自己肯定感の低下を引き起こしている。プロフィールから投稿内容まで、なにかと仕事がらみになる“ポートフォリオ化する大人のSNS”とは、また違った問題を抱えているようだ。

 もはや「趣味が同じ」「話が合う」などの基準で「ソーシャル=友達をつくる」ことは難しいのか— とここで颯爽と登場したのが、フランス発ティーン向けSNS「YUBO(ユーボ)」。「もっと純粋にコミュニケーションをたのしみたい!」というZ世代の声に応えるべく、2015年にサービス開始。正式に登録できるのは13歳から17歳のみで、いいねの数やフォロワー数がわからないデザイン。この数年で世界12ヶ国以上から約2,000万人のティーンユーザーを獲得している。

SNS世代の悩みはSNSが解決。ライブ通話で誰かと「常に繋がる」

 いいねやフォロワー数のしがらみなく、純粋に新しい友だちづくりができるというユーボ。いったいどうやって?

1、名前、出身地、誕生日、アカウント名、性別(女性・男性・ノンバイナリー)を登録。ティーンのみの空間を作るべく年齢認証システムを導入し、IDスキャンで年齢確認を可能に。名前の横にチェックマークがついたユーザーは年齢確認済みの安全なユーザーだ。

2、自分のプロフィール写真と、自分を表す絵文字を5つ登録(たとえばスマイル、日本国旗、ケーキ、絵画、レインボーで、「ケーキとアートが好きで、LGBTQサポーターの日本人です(笑顔)!」)。絵文字で性格を表すのがなんともデジタル世代の感覚。「ブラジル出身、ドラマー、DJです。ロックとヒップホップが好き」のように短い自己紹介文でもOK 。


黄色の下線部分に絵文字を5ついれる。

3、友だちを追加する。マッチングアプリのように右スワイプ=追加、左スワイプ=飛ばす。新しく友だちになったらダイレクトメッセージができる。

4、テーマごとにライブ通話のチャットルーム(公開・非公開)を作って、友だちと繋がる(誰でも参加できるので、ここで新しい友だちに出会うことも)。チャットルームの名前も「おしゃべり仲間が欲しい(Need some company)」から「Hey part 3(こんにちは 第3弾)」「awwwww(うわぁぁぁぁ)」と個性豊か。

 チャットルームで交わされている会話の内容はカジュアルなものからシリアスなものまで。「最近パートナーと別れそうなんだよね〜」「昨日お兄ちゃんと喧嘩したの」。ベッドに寝っ転がったり料理をしながら、ネットフリックスで話題のドラマについてだらだらおしゃべり。政治や社会問題について話したいティーンも多く、「賛否両論なトピック」と名づけられたトークルームでは、「私、バイなのかな?」「セクシュアリティは変わりゆくものでしょ」。有色人種のクィアたちが抱える“性やジェンダーの悩み”について、赤裸々に語っているものも。


左は、友だちになった子と個人チャット。中央は、ライブ通話のチャットルーム。右は、特定のチャットルーム内のライブ通話の様子。

 他国の見知らぬ人と繋がってチャットはまだしも、いきなりライブ通話は結構ハードルが高いな…とミレニアルズ世代の筆者は思ってしまったが、毎月ユーザー数は10パーセント増加しているそうだ。Z世代は、ユーチューブやインスタグラムのストーリー、スナップチャット、ティックトックなどビデオベースのSNSコミュニケーションにより慣れているからだろう。ライブ動画だと、その時に誰と繋がっているのもわかり、コミュニケーションをとっている感覚がよりリアルであることも心地良いのかもしれない。

 ユーボが徹底するのが「いいねの数や、フォロワーの数にこだわらないSNS環境」。それぞれのユーザーのフォロワー数も非表示になっていて、ライブ通話でも「いいね」ボタンはない。プロフィール写真と短文+絵文字5つの自己紹介だけを判断材料に、興味のある国の人たちや趣味があう人と繋がる。シンプルでいて、最近のSNS体験に希薄だった“本当のコネクションづくり”を目指している。CEOのラズィミ氏いわく「ソーシャルネットワークの未来は、人との出会いの発見です。いいね数や閲覧数に焦点はあてません。(数や評価などの)ユーザー個人個人のパフォーマンスに基づいたネットワークには、なりたくないのです」。
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All images via YUBO
Text by Haruka Shibata
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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