今回紹介するのは、古くから文化の中心地であるローマのイタリア国立21世紀美術館(通称MAXXI)にて開催中の展覧会、「THE STREET. WHERE THE WORLD IS MADE」。古くからストリートは人々が出会い、思想や革命が生まれる場所だった。そんなストリートをテーマに、文化、社会、政治の交錯を多国籍のアーティストたちが描き出す。
都心の大通りから地方の商店街まで、人々が行き交い、喧騒が絶えない。それがストリート。そしてストリートが在るところではいつだって文化が生み出されてきた。道の端で人が集まれば、議論が始まる、プロジェクトが生まれる。革命だって、起こるのはいつもストリート。抑えきれない群衆の怒りがストリートに溢れかえるごとに、私たちの社会は少しずつ、時には大きく変化してきた。
140ものアーティストの200以上の作品をフィーチャーするこの展覧会では、日常や市民のアクション、政治、コミュニティ、イノベーションなどさまざまな視点からストリートを美術館内に再現。文化や歴史の交差やその複雑さを作品にするアローラ&カルサディーラのアーティストユニットや、都市での生活を送る人々へ焦点を当てた作品で有名なフランシス・アリス、映像作家のローザ・バルバや、故郷と政治について扱うヤエル・バルタナの作品が展示されている。
「ストリートこそが発想の原点である」。芸術でもって思想を表現するアーティストたちががそう豪語するのが聞こえてくるような展覧会だ。
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All Photos by Musacchio Ianniello, Courtesy Fondazione MAXXI.