“退屈”から生まれた自由への渇望、性への欲望、若さの激動。〈パンク〉が教えてくれる21世紀に必要な表現『PUNK LUST』 

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今回紹介するのは、ニューヨークの街中にどどんと鎮座する「セックス博物館(Museum of Sex)で開催中の「Punk Lust: Raw Provocation 1971-1985」。型にはまった性別規範や、社会からの期待、そういったものにパンクカルチャーがどう反抗したか。セクシュアリティの観点から、ビジュアル、そして歌詞を考察する展覧会になっている。

今回の展示では独創的なアート作品から、フライヤー、フィルム、そしてパンクカルチャーのレジェンドたちが当時着ていた衣装など、アーカイヴから個人コレクションまで幅広く300の作品が並べられている。

「lust」とは、「欲望」の意。つまり、パンク・ラストとは、パンクのもつ反骨精神や若さ、美しさ、おもしろいことへの激動、自己犠牲、退屈さから生まれた自由への渇望。1970年代の活気に満ちたセックス業界の影響で、パンク・カルチャーはニューヨークやロンドン、デトロイト、ロサンゼルス、そしてサンフランシスコといった大都市で発展していった。パンクカルチャーの中に身をおいた若者たちは、それまでのジェンダーロールに抵抗し、当時発展していったクィア文化の影響を受け、大胆な表現活動に身をおく。

いまでこそジェンダーロールやLGBTQについて話すことは、だいぶ一般的になってきているが。新しい時代を目指す私たちの前に立ちはだかる壁は、まだまだ大きい。ここはひとつ、70年代の先輩パンクスたちが“ぶち壊してきたもの”を学んでみたい。


Cosey Fanni Tutti: Time To Tell, 1983, Magazine. Toby Mott/Mott Collection, London


Dead Boys: All This And More, 1977, Vintage punk badge. Courtesy of Manic Panic/PunkArchiveNYC
Dead Boys: They May Be Dead Boys But They Ain’t Stiff, 1978, Vintage punk badge. Courtesy of Manic Panic/PunkArchiveNYC


Iggy Pop: Penetration, No. 10, 1977, Fanzine. Toby Mott/Mott Collection, London


Roberta Bayley, Joey Ramone and Debbie Harry, 1977, Archival pigment print. Courtesy of the artist


Ruby Ray, Pat Bag and Alice Bag, 1978, Archival pigment print. Courtesy of the artist


Ruby Ray, Penelope on Leopard, 1977, Pigment Print. Courtesy of the artist


Ruby Ray, Plungers Take Broadway, 1978, Pigment print. Courtesy of the artist


Ruby Ray, The Screamers: Tommy Gear, 1978, Archival pigment print. Courtesy of the artist


Sex Pistols: Anarchy in the U.K., No. 1, 1976, Fanzine, Glitterbest. Mott/Mott Collection, London


The Slits, The Raincoats, Essential Logic: Mental Children, Vol. 1, 1980, Fanzine. Toby Mott / Mott Collection, London


Wayne County: Not Guilty!!!, 1976, Vintage punk badge. Courtesy of Manic Panic/PunkArchiveNYC
Wayne County: Close-Up, 1975, Vintage punk badge. Courtesy of Manic Panic/PunkArchiveNYC


X-Ray Spex: Hope & Anchor, 1977, Flyer. Toby Mott/Mott Collection, London

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Text by Anna Sasaki
Content Direction & Edit: HEAPS Magazine

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