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  • Apr 17, 2016
20年間趣味を変えなかった男が作る。 アウトドア男だけに捧げたい服「Ball and Buck」
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ファッションデザイナーはそのインスピレーション源として、アートや建築、映画に本、そして自身の体験そのもをよくあげる。
ブランド「Ball and Buck(ボール・アンド・バック)」を立ち上げた、Mark Bollman(マーク・ボールマン)もそんな一人だろう。
ただ、彼の場合は自身の趣味。それも「20年間のアウトドア歴」だ。

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冒険好きな男の服作り

 街を飛び出してハンティングや釣りに勤しむ、“男の趣味人”に実直に向けたブランド「Ball and Buck(ボール・アンド・バック)」だが、どれもパッと見は街中でも着れるような洗練された感じが印象的だ。

 しかし、そのディテールや機能性を知ればアウトドアの為の服だと気づかされる。

 たとえば、“The Upland Jacket(ザ・アップランド・ジャケット)”と呼ばれるアイテム、

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 この防水ジャケットは、鳥などの獲物を入れるためのポケットが装着。

 また前身頃の大きな2つのポケットの内側にはベロクロがつけられ、ショットガンの弾を収納するケースや、フライフィッシングに使う毛針を乾かすためのフライパッチも装着できる仕様になっている。

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その他にも、ジャケットやシャツには銃床を当てるために肩にパッチワークを施すなど、ディテールでもブランドを表現。

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 熱心に、そして楽しそうに服の機能性を説明をするマーク、のぞかせる表情は、ファッションブランドのオーナーというより、アウトドアが好きで好きでしょうがない男の顔だ。

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小学生からハンティング

 創設は2008年。創業者のマークはハンティングを嗜む家族のもとで育ち、自身も7歳からハンティングや釣りをしていたそうだ。アウトドア歴は20年以上におよび、その経験がブランドにとって大切なクリエイティビティの源となっている。

 そもそものきっかけも、「釣りとハンティングに着ていく専用の、クオリティの良い服がなっかたからなんだ」。オフロードバイクに乗ってアルゼンチンを1週間かけて周りながら、ハンティングやフライフィッシングをして過ごしたこともあるというから、相当な冒険好きだ。

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「服の形は定番のもので、スタイルを変えることはないんだよ。」とコレクションの製作過程について話すマーク。「今回はというと、マサチューセッツ州のディアフィールド川に行って、フライフィッシングをして過ごしたんだ。そこでの体験にインスパイアされたもので、水の色や風景の色をコレクションに反映させたんだ」

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Image Via Mark Bollman

 自分がフライフィッシングに何が必要だったか、ハンティングに出かけたときに何が不便だったかなど、自らの経験をそのままデザインに落とし込む。これまで、さまざまなアウトドア経験を積んできたマークならではの服づくりだ。

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Made in Americaにこだわる理由

 もう一つ、ファンたちからひたむきに愛される理由としては、Ball and Buckのアイテムすべてがメイド・イン・アメリカであること。こだわる理由は品質にある。

 素材探しには労を惜しまず、アメリカ海軍で使用されている素材や、耐久性と肌触りの良さで知られるピマコットンなどを採用。全米に7ヶ所ある工場の視察も欠かさない。そこには海軍のユニホームを作る工場も含まれおり、クオリティへのこだわりはお墨付きだ。

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 そんなブランドの努力のかいあってか、彼らの顧客の中には服の修理のために店を訪れる人も少なくない。
「私たちにとって大切なのは顧客が新しいアイテムに買い換えるのではなく、『修理したい』と思ってくれること。だって顧客は、私たちのプロダクトに長持ちすることを望んでいるんだ、彼らは新しい商品をつぎつぎ買うといった消費者ではないんだよ。アイテムに愛着を持ってくれれば、それが一番です」

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 どうやらBall and Buckは、サイクルが早くなる一方のファッション業界とは真逆をいっているようだ。
「確かにファッション業界のスピードは早くなっていると思う。
でも私たちはおしゃれなブランドを目指しているわけでも、トレンドを追っているわけでもない。ブランドとして、100年後でも廃れないようなスタイル、正真正銘の定番アイテム、アウトドアでその機能を発揮し続けるモノを目指しています」とキッパリ。

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 しかし、ファストファッションの影響から100%は逃れられないのもまた事実だ。「H&Mだったら10ドルでシャツが買えるでしょ? 一方うちだと130ドルぐらい。消費者がクオリティというものに興味がなければ、シャツ一枚に10倍の値段もお金を払う行為は理解されないんだよ」と。その顧客拡大における困難には、ブランドの価値やクオリティをきちんと伝えることが解決になると信じており、旅の様子を撮影したビデオやブログで積極的にブランドのストーリーを発信している。

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 Ball and Buckには、小さくても強い信念と情熱をもって、より良いモノのために戦うというという意味が込められている。20年間趣味を変えず、ひたむきにアウトドアに打ち込んできた実直な男のブランドにピタリとはまる。その黙々とした男くささが、通ずるところあるアウトドア好きの心をがっしりと掴んでいる。
 彼らには、ファストファッションなどどこふく風。作り手のマークも含めて、釣りとハンティングのための、実直な服が欲しいのだ。

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Ball and Buck /ballandbuck.com

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Photos by Kohei Kawashima
Text by Akihiko Hirata, edited by HEAPS

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