「パンドラの匣が再び全開になった」。若者たちのプロテスト Love Trumps Hate!
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彼の当選が決まった瞬間、ほとんどのニューヨーカーは驚愕し青ざめたであろう。あのトランプが、次期大統領になるなんて、まさかの展開…….!
すでにこぞって報道されているが、当選の直後からすぐさまニューヨーカーたちのプロテストがはじまった。
決まってしまった大統領にプロテストをするのは、民主的な決定をないがしろにするものだ単なるカタルシスの発露だ、などと言ってはいけない。
これは、ヤバイことになる。そう思い、僕も11月12日のデモに参加した。

 出発は、ユニオンスクエア、陽光がいい感じ。

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「Love Trumps Hate (愛は憎しみに勝つ)」。レディー・ガガもプラカードであげていたデモのテーマでもあるこのフレーズ、元々はサンダース氏のキャンペーンの言葉で、ドナルド・トランプ氏のファミリーネームとトランプゲームで相手を負かすことを引っ掛けている。

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 フラットアイアンの前。

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 今回のデモは、女性の数がとにかく多かった。そりゃそうだ…..!トランプ氏は、 大統領選の期間中、何度も、女性達を侮辱する発言をしてきたのだし、そんな男たちを懲らしめてくれるだろうと期待していたヒラリー氏は、僅差で敗れてしまったのだもの….

お、ツーリストもデモを応援!

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 彼女たちのこのプラカード、洒落てます…!

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「イジワル女同盟」。これは、ヒラリー氏が選挙期間中に「Nasty(イジワル!)」と揶揄されていたのを逆手に取っている。
 さらに、「私たちの体は私たちの選択、プッシー鷲づかみを取り返す」と書いてある。流石…!

 こちらはバーニー・サンダース支持の女性。僕も、バーニーがベストだったと思う。個人的には、残念ながらヒラリーも支持できない。今回の選挙で皆が抱えたジレンマだったろう。

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「Yo!ブラックパンサーのブラザー!」と声をかけて、僕のマルコムXのバッジを見せたら彼、ニヤリ。

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LGBTの青年だと思う。これも、さりげなく重要なことを言っている。
「もし、君が怒ってなかったら、それは、注意不足だよ」

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 トランプ支持者全員が、差別主義者というわけではない。しかし彼らは、差別が見えない、あるいは、見ないようにするのだ。

 日本では、シールズで有名になったコール「Tell me what democracy looks like! This is what democracy looks like」「民主主義って何だ!民主主義ってこれだ!」で盛り上げるものも。

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 プロテスターたち、五番街のロックフェラーセンターの前に到達。ダースベーダーのテーマとともに、トランプタワーが現れる。

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 マイケル・ムーアも、いいタイミングで現れる。

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「出たな!トランプ」と思ったら違う、ズームしたら毛がフサフサだった。でも、彼、こんな風に高みの見物するんだよな。

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 ヴァレンティノも粋にプロテスト。

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 今回のデモのベストプラカード!

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「トランプ、自由の女神のプッシーを鷲掴み…!」

強烈!

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強力!

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「この選挙が、レイプされた鮮明な記憶を再び呼び起こす引き金になった、そして、女性蔑視が普通になる事への深い恐怖がある」
 トランプ氏は、徐々に閉じられていくかに見えた差別とヘイトいう、パンドラの匣をまた全開にしてしまった。それを、多くの人々が痛烈に感じているのだ。

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 日本では、トランプ氏が、反ヒラリー、ウォールストリートやエスタブリッシュメントに対抗するような装い、反TPP(唯一の評価出来るポイントかな…)なので、リベラルの中の一部にも、トランプ氏を歓迎する向きがあるようなのだが。本質は、民主主義VSファシズムの問題と見るのが正解だろう。トランプ氏が選挙運動中に喚起してしまった、そしておそらく、彼が体質的に持っているであろうレイシズム、女性蔑視、排外主義、これらは、すべて、民主主義の普遍的な原理を脅かすものだ。

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「ヒューマニティーの名の下に、私たちは、ファシストのアメリカを受け入れる事を拒否する」。この認識は妥当だと思う。

 今回のデモでは、皆が静かに怒っていた。特に女性が怒っていた。危機感も半端じゃなかった。しかし、こんな状態の中でも、デモはピースフルであったし、愉快な場面すらあった。そこに、ヘイトはなかったのだ。

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 実はトランプタワーの前で、何人かのトランプ支持者とプロテスターたちが、鉢合わせした場面があった。が、そこに暴力はなくちょとした議論があっただけ。とはいえいまの段階で、両者のフリー・ハグは無理だろうけど….。
 しかし、Love Trumps Hate愛は憎しみに勝つというのは、まさしくその通りだと思う。

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 トランプ氏のように、民主主義のシステムを、憎しみを煽ることによって作動させることはとてもまずい。多様性を愛しクリエイティブなニューヨーカーたちは、「Love Trumps Hate」で立ち向かうしかないのだ。

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Text & Photos by Masato Kuroda

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