朝起きて、夢を「夢」だと気づいたと共に、ものすごい勢いでやってくる落胆。
「あー、あの場面ではこうなればよかったのに」なんてこと、これまでに何度もあった。皆様も一度はありますよね?
そんな落胆をもうさせまい、と“夢のような”装置が開発された。その名も「LucidCatcher(ルシッド・キャッチャー)」。これ、「夢を自在に操ることができる」と謳う。
「人生の3分の1を占めるといわれるみんなの睡眠に、革命を起こしたい」と語るのはNikita Antonov(ニキータ・アントノフ)とMichael Skrychevsky(マイケル・スクリチェブスキー)、Maryna Vermishian (マリナ・ヴェミシアン)。ウクライナの首都キエフのスタートアップ「Luciding Inc.(ルシーディング・インク)」の3人だ。
一体全体、どうやって夢を自在に操ることができるのだろうか。まずみんな気になるのはその仕組みだと思うので説明。信じられないくらい簡単なので見て欲しい。
2. 装置がREM(レム)睡眠(いつも私たちが夢をみるときの浅い眠り)を感知。
3. 脳に40Hzの弱い電気刺激を与える。
4. 自分で夢であると自覚しながら見ている夢、明晰夢(めいせきむ、英語: Lucid Dreaming)を見させてくれる。
明晰夢とは、睡眠中に夢の中で「あ、これ夢だな」と思うことなのだが。なんでもこの状態だと、夢を意識的にコントロールすることが可能だという。ルシッド・キャッチャーを装着すれば、その明晰夢を毎晩見ることができるのだ。
ほんとに見れんの? と信じられない人よ、驚くなかれ。2年前の初めての試作実験では11人中6人が明晰夢を見たとの結果がある。その後さらに改良を加え、今年は10人中8人が明晰夢を見ることができた。夢コントロールという夢のような話が現実味を帯びてきている。
ちなみにルシーディング、今後「ポケモン」とコラボしたいらしい。
「空前のブームを巻き起こすポケモンGOのようにポケモンたちと夢の中で出会い、友だちになって、一緒に遊んだりできるような構想がある。任天堂に是非この考えをプレゼンしたい」と3人は語る。
「夢は見るものではなく、叶えるものだ」なんてむず痒い常套句をよく耳にするが、まさにルシッド・キャッチャーは、「自分の見たい夢を見られたらな」というみんなの願いを叶えてくれる装置になるかもしれない。
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All images via Luciding Inc.
Text by Shimpei Nakagawa