ゲリラで廃棄物を“救う”。 ちょっと過激な大量廃棄ボイコット 「フリーガン・コミュニティ」へ潜入

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1万円ならぬ、1,000円生活?

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「ゴミ箱へダイブ」して廃棄物を救いだし「廃棄物で晩餐会」をする。あらゆるモノが大量生産され、はたまた消費されるのが日常なこの時代、“フリーガン”、彼らはその流れに徹底的に抗いながら生きている。フリーガン・コミュニティたるものを探るために、彼らの代表的な二つのアクティビティ「ダンプスター・ダイビングツアー(ゴミ箱ダイブ)」と「廃棄物ディナー・パーティー」へ潜入した。

その1、「ダンプスターダイビングのツアー」編

「もったいない!」から、ゴミ箱へダイブ

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「私たち、大量生産、大量消費の資本主義社会には参加しませんから!」。フリーガンたちのそんな意思表明の一つに「ダンプスター・ダイビング」というのがある。直訳すると「ゴミ箱へダイビング」。使えるもの、食べられるものを捨てることは「もったいない」ので、ゴミ箱をあさって、まだいけそうな廃棄物を持ち帰るのだ。
 そんなフリーガンが、月に2回ほどツアーを開催しているというので参加してみ た。夜9時半、高層ビルが建ち並ぶマンハッタンのオフィス街で待ち合わせ。総勢 15人以上。思ったよりも学生やミレニアル世代の若者が興味を示していることに驚いた。

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 まず、リーダーのジャネットは、参加者たちにフリーガンのマナーを教える。「開いたゴミ袋は、元通りに閉じること」。アウトドアの合言葉と同じく「来たときよりも美しく!」が鉄則だ。
 フリーガンは閉店後のスーパーやドラッグストア、デリ、べイカリーが出した廃 棄物を狙う。他州や他国でも実践してきたべテランによると、「ニューヨークは路上にゴミ(袋)が置いてあるから、やりやすい」らしい。多くの街では通常、廃棄物 は巨大なゴミ箱にまとめられるので、文字通り「本当にゴミ箱の中にカラダごとダイブしなきゃいけないんだ」とのこと。

「僕?僕はただの節約だよ」

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 実際にゴミ袋をあけてみると、あらビックリ。20個以上も入ったベーグルの山を発見。隣にいた女性曰く「これ、冷凍したら1週間は持つわよ!」。その他にも、パッケージに入ったサンドイッチやチーズ、サラダなども出てきた。

 参加者の一人、二ヶ月前にロシアから妻と一緒にニューヨークに住みはじめたという20代半ばの男性は、「渡米以来、ずっとダンプスター・ダイビング生活」だと明かす。身なりはそこら辺のニューヨーカーよりお洒落な彼だが、確かにヘッドライトも持参しており手慣れた様子。聞けば「先月は食費に10ドル(約1,200円)も使っていない」という。もはやその10ドルを何に使ったのかが気になり聞いてみると「妻と友人と一緒にカフェに行ったときのコーヒー代」だそう。彼も妻もフリーランスながらも仕事はあるという。それでも廃棄物をあさる理由については、「単純に(お金を)節約したいから」。

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 また、30代前半の独身男性や、20代半ばの女性は「一度、ツアーに参加してみて興味を持った」という。平たくいうと「味を占めた」のだ。
「袋に入ったパンなんかは、美味しく食べられるし、飲料は最高!野菜や果物も、タマネギ、オレンジ、リンゴ、バナナなど、皮を向いて食べるものは、翌日中に使えばまったく問題なし」。と、話していると女性は「明日の朝、スムージーにしようかな!」と、バナナを5本ほどつかみ取り。

恥じることなく「私たち、フリーガンです」

 興味深いのは、シェアし合う姿だ。“お宝”を見つけた者は、自分のバッグに入れる前に、「このリンゴまだ綺麗!誰かいる?」「このパン美味しそう!私は家に沢山あるから誰か持って帰らない?」と声を掛け分け合う。最初こそためらいがあった私も、「このラップサンド、ビーガンで美味しいのよ。欲しい?」と勧められ手にとり、自分のバッグにいれた瞬間、何かが開けた。

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大都会のど真ん中でゴミをあさる我々一行は、もちろん好奇の目にもさらされた。「何しているの?」と聞いてくれればまだいいが、遠くからスマホで写真を撮られ「FBにアップしなきゃ」なんていうのもしばしば。だが、リーダーたちはお構いなし。というもの、彼らは、地球環境のためにも、道徳的にも「良いことをしている」と信じて疑わないわけで、コソコソしないのはまあ当然といえば当然。
 聞かれれば「私たちは、フリーガンです」と自信を持って答える。また、あえて大都会で行う理由についても「人々の関心を喚起するため」であり、このようなツアーを開催しているのも、一人でも多くの人を巻き込むための啓蒙活動とのこと。

参加費無料、食べたいだけどうぞ。

その2、「フリーガンによる廃棄物の晩餐会」を読む

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