しあわせを秘めた、荒廃都市“バッファロー”へ

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「バッファローへ移り住むミレニアルズ(若者たち)の王様のような暮らし」 今年1月の終わりに、こんな見出しのニュースブログが目に飛び込んできた。バッファローといえば、州の果てにある、「腐ってもニューヨーク」でおなじみの地方荒廃都市。どうやら、中心都市から移り住んだ若者が、大安売りに出されている家を買い自分たちでリノベーションし、堂々と一軒家を構えている様子。 その他にも、大卒の20〜30代前半の若者たちがバッファローで「起業した」「脱サラしてパン屋をはじめた」と、雪が降り積もる極寒の街中ではじける笑顔をみせる。 「一体、なぜ地方都市バッファローなのか?」 その記事の取材起稿をしたブルックリン在住のジャーナリストJordan G. Teicher(ジョーダン・タイシャー)を訪ね、話しを聞いてみた。

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HEAPS(以下H):バッファローを取材対象にしたきっかけ、動機について教えてください。

ジョーダン(以下J):昨年の終わり頃に、ニューヨークタイムズ紙が、大学(もしくは院)を卒業した若者たちが移住先として、以前のようにニューヨークやサンフランシスコといった“定番都市”だけでなく、デンバーやナシュビル、ポートランドなど、他の都市を選ぶ傾向が目立ってきているという記事を掲載していて、それを読んだのがきっかけなんだ。記事内で、2000年から12年の大卒以上の若者(25〜34歳)の都市人口比率がランキング表示されていたんだけれど、そこに、さりげなくバッファローが6位に入っていて。その意外性に驚いて、実際に足を運んでみたんだ。

H:確かに、バッファローといえば、かつては工業都市として栄えたものの、産業衰退、雇用喪失、そして人口流出、税収低下と悪循環が続いているイメージがありますよね。ニューヨーク市に続く、ニューヨーク州第二都市でありながら、どちらかといえば若者が流出する都市だと思っていました。

J:そう。荒廃都市だと思っていたら、そこに好き好んで移り住む者、特にニューヨーク州郊外で育った人たちの大学卒業後のUターン率も上がっている。行政が住民に有利な特別キャンペーンを行ったとか、巨大なショッピングモールができたという話もないのに、一体いま、何が人々を惹き付けているのか?注目して改めて気づいたのが、バッファローはナイアガラの滝の観光地として有名だったり、国内線空港があったり、カナダの大都市トロントにも近かったり、「田舎の自然環境の良さと都会の便利さを程良く楽しめる都市」として、意外と魅力的なロケーションだったんだ。

H:バッファローに移住して、起業したり、家を買ったり、無料同然のロフトを借りて創作活動に専念したりと、現地でそれぞれが自分の価値観に合ったライフスタイルを見いだした若者たちを取材されていますよね。いままで、第一都市から第二都市への移住というと、「コンクリートジャングルを脱出して、スローライフを満喫しよう」といったロハス志向のイメージが強かったのですが、記事を読んでみると、そうではなく、新しいことにチャレンジするために、あえてバッファローに移り住んだ様子が感じ取れました。

J:もちろん、スローライフを目的に移住する人もいる一方で、ここ数年で顕著なのが、キャリア形成や、起業、スタートアップなど、目的意識を持ったいわゆる“攻める移住”を実践している若者が増えていることなんだ。 HEAPS取材陣も、マンハッタンからバッファローへと移り住んだ若者たちを取材することに。実際にどんな生活をしているのか見せてくれるというので、マイナス20度の雪の最中、現地に赴いた。

Jordan G. Teicher
jordangteicher.weebly.com

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