今や企業広告として用いられるまでに市民権を得てしまった、元“違法アート”であるグラフィティ。
「ラクガキ」が「アート」へ、「違法行為」が「合法」へと昇華するにつれ、グラフィティ黎明期にあった反骨のアティチュード、そこにある純度が失われているように感じる近頃。
グラフィティの聖地ニューヨークより届けられるジン『CARNAGE(カーネージ)』を作るのはRay Mock(レイ・モック)。ストリートアート、グラフィティをとことん愛する彼の莫大な知識から作られる『CARNAGE』は純度100%グラフィティジンだ。KUMA(クマ)やLUSH(ラッシュ)、CURVE(カーブ)など毎号異なるグラフィティアーティストをフィーチャー、コラボレーションする。
第1号ではニューヨークのあちこちのドアに描かれたグラフィティ、第3号、4号では違法グラフィティ、最新号となる9号では体に描かれるグラフィティなどを特集。
またコラボレーションアーティストによるハンドメイドステッカーからハンドメイドTシャツ、そしてなんとコンドームまで、毎号の付録にはレイのパンク・ハードコアシーンで培ったD.I.Y精神が見え隠れする。
グラフィティアーティストKUMAとのコラボレーションキット
グラフィティアーティストCurveとのコラボレーションキット
必ず誰かがその価値を見出し、大切に保存、ギャラリーで展示される「アート」とは違い、霞んだり、色あせたり、オーバーされたり(他のアーティストによって塗り替えられる)、建物自体取り壊されて消えるかもしれないグラフィティ。 だからこそ、誰かがその価値を信じ、守っていかなければいけない。
「グラフィティの歴史をこうしてジンに刻み、ジンを通して次世代の悪ガキにその価値を継承することができてありがたいよ」とレイ。
いまやすっかり大人になった元悪ガキたちが、次世代に贈る反骨の指南書はこちらから。
[nlink url=”https://heapsmag.com/?p=10951″ title=”正体不明のアーティスト、バンクシーの映画が日本で公開中。3年前、HEAPS編集部はリアルタイムでバンクシーを追っていた!”]
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All images via Ray Mock
Text by Shimpei Nakagawa