有名すぎる“あの写真たち”の正体

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あなたも恐らくどこかで見たことがあるだろう有名な“あの”写真…。
しかし、それらがどんな背景を持っているのかはわからない。
何十年にもわたって語り継がれる写真たち。
それらの写真たちは、いつ、どこで撮られたのだろうか?
“あの”写真の正体を暴く。

『Lunch atop a Skyscraper』

New York Construction Workers Lunching on a Crossbeam


1932年9月20日、大恐慌の最中に撮影された一枚。

ロックフェラー・センター内にある高層ビル、GEビルディングの建設中に地上69階でランチ休憩を取っている労働者の写真。大恐慌という不況の時代、労働者は、安全の保証が一切ない労働環境下でも、働き口さえあれば喜んで働いたといい、その現実を見事に写した一枚。
しかし、このように鉄筋の上に座り昼食をとる姿は日常的に見られた場面ではなかったようで、この写真を撮るために準備されたものでもあるともいわれている。写真に写っている人々は実際に働いていた労働者であり、命綱がなかったのは事実。“やらせ”ではないが、プロモーションの一環であったことは確かであるようだ。
フォトグラファーはチャールズ・エベッツ(Charles C. Ebbet)。
©Corbis Corporation

『marilyn monroe』

Marilyn Monroe "Seven Year Itch, The"1955 / 20th Century Fox

映画『The Seven Year Itch』からの一枚。
1954年9月15日に、Lexington Ave.と52nd St.の角で撮影されたのだが、これを聞きつけたメディアが集まり、なかなか撮影は進まない。
しびれをきらした監督が「撮影を進めさせてくれればマリリンが彼ら要望通りのポーズをする」という条件を提示、それがこのポーズらしい。
ちなみに、撮影現場にいた当時のマリリンの旦那、ジョー・ディマジオがこの写真に嫉妬し激怒したという節もある。実際に、この撮影から数週間後に離婚している。
結局、この日の撮影は上手くいかず、後日20th Century Foxのスタジオで再撮影をしたという。
フォトグラファーはサム・ショー(Sam Show)。
©mptvimages.com

『V-J Day in Times Square』

A jubilant American sailor clutching a white-unifo

雑誌『LIFE』に掲載されたこの一枚。

1945年8月14日にタイムズスクエアにて撮影された。 第二次世界大戦で日本がアメリカに降伏したニュースを聞き、タイムズスクエアの歓喜の中でキスをしている二人をとらえたもので、終戦とその喜びを象徴する一枚だ。発刊から60年で多くの人々が「そこに写るのは自分だ!」と名乗り出てきていた。LIFE誌は正式に認めていないが、2005年に発覚した男性はGeorge Mendonsa(ジョージ・メンドサ)、女性はGreta Zimmer Friedman(グレタ・ジマー・フリードマン)というのが濃厚説とされている。
この二人は恋人同士であったわけではなく、彼がその場にいた彼女の手をとり、突然キスをしただけ。
「ロマンティックなキス、というものではなく、戦争にもう二度と戻らなくていいという喜びの行為でした」と、フリードマンはメディアにて語っている。キスのあと、二人は名前すら交わさずに道をわかれたという。

フォトグラファーはアルフレッド・アイゼンスタット(Alfred Eisenstaedt)。
©Getty Images

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Texy by Naoki Ishizuka

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