ラーメンは、ファッションだ。

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「男の仕事着」 IPPUDO NY X ENGINEERED GARMENTS

 オープンさせたばかりのロンドン店からニューヨークに戻ったばかりのマネージャー、島津智明から連絡が入る。弊誌で一風堂ニューヨーク(以下、一風堂)の快進撃を取材したのは、昨年7月。

 世界を舞台にラーメンカルチャーを牽引する“王者”は、ご当地ラーメンの考案やタイアップイベント、隠れ家のような空間でつくる「精進ラーメン」など、常に何かを仕掛け続けている。その一風堂が、働く男のための仕事着をつくった。手がけたのは、日本人デザイナーによるニューヨーク生まれのブランド、ENGINEERED GARMENTSだ。

 深い藍色をしたジャケットと前掛けは、機能性を重視したシンプルなつくり。しかし、そこかしこで光るのが、一風堂で働く男たちからのリクエストに応えた仕立て。同ブランドのアシスタントデザイナーで、このコラボレーションの立役者でもある宮本健太は、打診を受けたときを振り返り、「一風堂さんのような大きな会社が弊社のことを知っていてくれたことに驚いた」と語る。

 引き受けた最大の理由は、一風堂側の担当者、中村祐介の人柄と情熱だったという。ENGINEERED GARMENTSでよく買いものをする中村の洋服に対する情熱や知識に、宮本は圧倒されていた。過去に知人のレストランのエプロンなどを制作した経験もあった宮本は、縁がつないだ今回の依頼を違和感なく引き受けた。こうして、食とファッションの世界の“二大巨頭”によるコラボレーションが実現した。

「レストランで働く者が着る作業着」からブレることなく、ENGINEERED GARMENTSのこだわりである、細部まで凝らした上での機能性とデザイン性を持つジャケットができた。その理由のひとつに、「一風堂さんからの指定や細部のデザイン要求など、普段僕らが気づかないことを反映できたから」と宮本。ENGINEERED GARMENTS側にも、コラボレーションで得た学びがあったという。現場の声に耳を傾ける姿勢と培ってきた技が融合したからこそ、機能性のある「オトコの仕事着」が誕生した。目には見えないが、仕立てのための工夫や技がそこかしこにある。たとえば、スタッフはお客の目線に合わせ中腰になることを考慮し、腰の位置にメモ入れになる大きなポケットをつけたり。生地は忙しく動き回る彼らが快適に過ごせるよう、丈夫かつ通気性のよいものをピックしたり。

 一風堂が発信する「男の仕事着」は、ファッショナブルかつ機能性にも長けた優れもの。どうやらマネージャー限定で着用する方針のようだが、一般向けに販売も予定している。一風堂が仕掛けるラーメンファッション。とくとご覧あれ。

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ippudony.com
nepenthesny.com
Photographer:Kuo-Heng Huang

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