いまどきのタクシーは、遊びも出会いもくれるらしい

Share
Tweet

Screen+Shot+2015-02-13+at+10.31.11+AM

世界中でタクシー業界に革命が起きている。配車するだけでいい時代は終わった。いかに乗客を楽しませるか。これこそが今、タクシーサービスに求められていることだ。数多くあるタクシーアプリからお客様に選ばれたいならユニークなサービスを提供し続けるしかない。

ただの交通手段としてだけではもう物足りない。Uberが仕掛ける「タクシーエンタメ化」の波に、乗り遅れるな。

 「何をしたい?クラブに行きたい?出会いたい?」ならば、タクシーに乗れ

 週末の楽しみといえば決まっている。仕事漬けの日々から解放されて、行き着く場所はパーティーやイベントだろう。でもその前に、ちょっとタクシーで遊んでいかないかい?プレ・パーティーの最新の場としての役割を担うことになったのは、なんとタクシーだ。乗車中に、好きな音楽をガンガンかけて楽しむことができる。自分が運転する必要がないからには、よそ見して体を揺らし放題、座って楽しむ小さな箱に早変わり。タクシーのエンタメ化にいち早く目をつけたのは、Uber(ウーバー)だ。2010年に、スマートフォンでタクシーの配車サービスを開始してから、爆発的な勢いで世界に進出し続けてきた。今ではタクシーアプリ業界を牽引し、昨年11月には音楽ストリーミングサービスのSpotify(スポティファイ)と提携して「乗車中に好きな音楽をUberのスピーカーを通して楽しめる」というサービスを実現した。パーティーやクラブイベントに電車で向かうなど、もはやナンセンス。どうせならば、もうタクシーで騒ごうじゃないか。移動しながらプレ・パーティーを開ける時代なのだ。帰りでもいい。射止めたい誰かを見つけたら、帰りのタクシーでイイ曲を流そう。自分の車でなくても、音楽が自由自在とあれば雰囲気づくりはお手の物だ。

 実は、Uberよりも少し早くライバル社であるLyft(リフト)が、DiscoLyft(ディスコ・リフト)と呼ばれる、車内で音楽やカラオケを楽しめるサービスを始めていた。が、DiscoLyftは意図して捕まえることができないので、誰でも乗れるというわけではない。運が良ければ乗車できるという、いわばクジ引きみたいなもののため楽しめるかは運次第。

人生の最重要イベントもタクシーにお任せあれ!

 クラブ化するタクシーに驚いている場合じゃない。人生で最も大切なイベント、結婚式までしてしまうのが今のタクシーアプリのサービスだ。Uberは昨年の6月28日、「UberWEDDING」という1日限定のアプリを立ち上げて、Uberオリジナルの「結婚式」を開いた。そのプランの内容は公にされておらず、サプライズ。LGBTを含む8組の幸運なカップルが、これから何があっても共に乗り越え、共に人生を歩んでいくことを、「I do with Uber(Uberと共に)」と誓い合った。

 タクシーってなに、と問われれば、ほとんどの人が「人を運ぶ」ものだと答えるだろう。これまで、タクシーの乗車中といえばドライバーとちょっとした会話をしても、あくまでドライバーと客の関係で、それ以上でもそれ以下でもない。しかし、タクシーアプリが発展している近年、その答えは「人を繋げる」もの変わる可能性を持ち始めた。というのも、タクシーは「出会い」の場も提供し始めたからだ。多くのタクシーアプリがこぞって開始している「ridesharing(ライドシェアリング)」は、いわゆる「相乗り」サービスだ。先述のリフトの相乗りサービスは、サンフランシスコ発。ヒッピー発祥の地でもあるため、ヒッチハイクして相乗りするのは割と日常的なこともあり、すぐに多くの利用者を獲得した。ドライバーと客の関係は「友達」で、乗ったらまずフィストバンプ(拳同士を軽くつける)をして会話を始めるらしい。さらに、事前に相乗りする相手のプロフィールの確認ができる。つまり、相手を選んで乗ることもできる=出会いの場にもなるというわけだ。

 旅行や一人旅の際もまた便利だ。現地の人と知り合い仲良くなることはちょっとハードルが高い。そんな時、相乗りサービスを利用すればごく自然に知り合うことができ、さまざまな現地の生の情報が聞ける。さらに気が合えばそのまま連絡先を交換し合い、一緒に遊んだりと、普通の旅行とは違った出会いを楽しめる旅となる。人との繋がりを作るプラットフォームが、今のタクシーアプリだ。

 ニューヨークに住んでいる筆者は、日本が羨ましくなった。日本にSpotifyとUberのサービスが上陸すればもっと楽しめるからだ。なんてったって、日本では車内での飲酒が合法なのだ。音楽も聴けて、お酒(もちろん適度の)も楽しめたら最高じゃないか。最近では、日本に上陸したてのTinder(ティンダー)という男女の出会いを提供するデートアプリがじわじわと人気をのばしていると聞く。近くにいる人同士をマッチングし、気に入ればチャットをし、気に入らなければスルーすることができるアプリだ。そんなサービスをタクシーでも利用できれば、また一つタクシーの楽しみ方が増えるのではないか。気になる人との最初の会合場所が、タクシー。少し話して、気が合えばそのまま行き先は、「バーへ」なんてどうだろう。距離だけでなく、心だってどこまでも運んでくれるタクシー。その可能性は、果てしない。

Writer: Eisaku Kawamura

Share
Tweet
default
 
 
 
 
 

Latest

「可視化されていない時代の感覚を、僕らはどう言語化していくか」トライ&エラーを協働する企業と編集者、ソニー×若林恵

「そもそもね、僕らに“伝えたいことがあってはじめた”、というわけではないんですよ」。 企業の伝えたいことを、より魅力的に言語化して届けるために〈企業と編集者〉が組むことは、近年の常套。その関わり方を大きく飛び越えて「何が…
All articles loaded
No more articles to load