ポップとビビッドに潜む。違和感と“クエスチョン”
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日常で一体どれだけのことを見逃しているのか。はたまた、つきつけられる問題からいかに目をそらしているのか。
得意の“見ないふり”が中々難しくなるのは、Brian Leo(ブライアン・レオ)の作品の前だ。鮮烈な蛍光カラーに思わず目をとめ、ポップな絵柄に興味と好意を持つ。しかし、もう少し見てみると「?」が浮かんでくる。ある種の“不気味さ”と違和感がポップに見え隠れしているのだ。作品のタイトルに目をとめると、もうひと度、新たな違和感を発見してしまう。

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「これは、“フクシマ”の問題のことでもある」とブライアンが指した先の作品は、大きな象に潰されながらかすかに笑っている黒い人のようなもの。エレファント(象)は、“大きすぎる問題”を意味し、どうしようもない社会問題になす術のない現代人を描いた。
時折「問題作」にもなりそうなものも「これは僕自身の旅行の思い出」とアボカドと列車が描かれた可愛らしい絵と同じ具合で、何ともなしに鮮やかに、ポップに世間に突きつける。

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一見可愛らしいコアラの親子は「子どもがいながらも喫煙をやめられない親」、ひっくり返るウサギを「自分をコントロールできないアルコホリック」、キリッとした目つきのイーグル(アメリカの象徴)が口にくわえているのはミミズで、「ぱっと見で強いと通っているけど、実はちまちました餌を狙っている」とコミカルに風刺。

ある特定の問題について風刺するばかりではなく、「見ている人それぞれに答えや疑問を持って欲しい。さっきのエレファントの絵、フクシマのことで「も」とは、国が変われば重ねる問題も変わる。見る人によって、受け取るメッセージ性が変わるんだ。シリアスなものから、ちょっとした疑問や記憶まで」というように、“曖昧性”がある。

よく見ると卑猥なシロクマの作品は「そのままシロクマの絶滅を思い出すかもしれないし、」と説明する横で、二頭のシロクマの行為をみて少子化に思い当たる。それから、微笑むシロクマを見ていて、なぜだかかつての若さゆえの重みのない交際の記憶がちらりと浮かんできてしまった。

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作品の“元となる素材”はインターネットで探す。出回る画像や広告を元にアレンジするといい、最大手の保険会社のコマーシャルなど“有名なもの”をよく使用するとのこと。「どこかで見たことあるんだよなあ」が、より目に止まりやすく、記憶との違いによる「でもなんか違うんだよなあ」が、違和感を生みやすくし、考察させるのかもしれない。前述の象の作品は、有名な「ぜんそく」の薬の広告チラシに「recontextualize(新たに意味合いを込めること)」を施した。一見ポップで可愛い絵に考えを巡らせる行為は、あらゆる情報が飛び交いすぐに忘れていく現代で、いかに「見ていないのか」を同時に思い出させる。

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隠れた違和感をたどれば、ある答えが思いつく、あるいは思い出すかもしれない。今週末は、自身の考察と記憶と、それから心理を探るポップな謎謎をしてみるのはどうだろう。
ブライアン・レオは、14日より東京メグミオギタギャラリーにてエキシビションを行う。

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Exhibition「Brian Break」
PLACE:メグミオギタギャラリー/megumiogita.com
DATE:12/4(金)〜12/19(土)
Brian Leo /brianleo.com
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Photographer: Hayato Takahashi
Writer: Sako Hirano

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