青二才、三人目「いま?ポケモンやって人生で最高に稼いでるよ」

【連載】日本のゆとりが訊く。世界の新生態系ミレニアルズは「青二才」のあれこれ。青二才シリーズ、三人目。
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「最近の若いのは…」
いつの時代も、職場やどこぞやの酒の席で交わされる“若者ろん”。
これ、いわれ続けて数千年。歴史をたどれば古代エジプトにまで遡るらしい。
みんな、元「最近の若者は……」だったわけで。誰も一度は通る、青二才。

現在、青二才真っ只中なのは、世間から何かと揶揄される「ゆとり・さとり」。
アメリカでは「ミレニアルズ」と称される世代の一端だが、彼らもンまあパンチ、効いてます。

というわけで、ゆとり世代ど真ん中でスクスク育った日本産の青二才が、
夏の冷やし中華はじめましたくらいの感じではじめます。
お悩み、失敗談、お仕事の話から恋愛事情まで、プライベートに突っ込んで米国の青二才たちにいろいろ訊くシリーズ。

三人目「いま?ポケモンやって人生で最高に稼いでるわよ」

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二人あるということは三人目もあるということで、青二才三人目は、Ivy Saint Ive(アイビー・セイント・イブ)24歳。
ポケモン誕生から20周年となった今年、2016年。記念すべき年に生まれ全世界を巻き込む社会現象となった「Pokémon GO(ポケモン・ゴー)」。
世間をさらに賑わせたのは、突然オンライン上に現れた「1時間20ドルで、プロフェッショナルトレーナーがあなたにポケモンゴー教えます」の投稿。
それを機に、ポケモンで生計を立てる(どころか稼ぎまくっている)「プロフェッショナルポケモンゴートレーナー」が、ニューヨークのミレニアルズ、アイビー。
今回は、彼女とニューヨークイチのポケモンの溜まり場といわれるセントラルパークにてポケモンゴー・デートを敢行。夏真っ只中、額に汗しながらポケモン探しながら聞いてきました。「青二才・Ivyのあれこれ」。

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HEAPS(以下、H):暑い中お越しいただきありがとうございます。まずは自己紹介お願いします。

Ivy(以下、I):こんにちは。私はプロフェッショナル・ポケモンゴートレーナーのIvy(アイビー)。今日は本当に暑いね。インタビュー前もずっとポケモン探してたの。

H:水分補給はお忘れなく。何時から探していたんですか?

I:朝の8時から。ピカチュウ捕まえたのよ!

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H:もうすでにお昼の1時。すごいなと思ったけど、お仕事ですもんね。8時出社って感じですかね。ポケモンとの初めての出会いは?

I:はーい。初めてポケモンに出会ったのは7歳の時。90年代後半ね。初めてアメリカにポケモンが上陸したのが98年。ポケモンレッドが私の初めてのポケモンシリーズ。
兄とポケモンのトレーディングカードを集めたり、映画を家族で見に行ったり、幼少期はポケモン漬けね。

H:あ、僕たち同い年。ちなみに僕もレッド版が初めて。その後はというと?

I:その後、思春期という中休みを経て(笑)。1年半から2年前ね、「Pokemon Go(ポケモン・ゴー)」の噂を耳にしたのは。配信日までは本当長かった、待ちに待ってやっとだった。
もちろん、配信初日からはじめたわよ。私はフリーランスのジャーナリストで、配信初日の木曜日、二日目の金曜日は仕事そっちのけで1日12時間もポケモンゴーに没頭しちゃった。

H:12時間!一日の半分はポケモンゴー。

I:一日中歩いて、できるだけ沢山のポケモンをゲットしたわ。隣にいる私のボーイフレンドVender(ヴェンダー)と一緒にね。彼はこれまでポケモンを一度もプレイしたことなかったんだけど。二人ともハマりにはまっちゃって(笑)。

H:てことはプロフェッショナル・ポケモンゴートレーナーも恋も上手くやってるわけね?

I:Yeah!もちろん!私たち、いつも一緒にポケモンゴーをプレイしているの。もし、ボーイフレンドがポケモンゴーをしない人だったら、そんな関係は即終わっちゃう(笑)。

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お二人、ポケモン中。

H:理想のカップルです。配信からやりまくって、いまは「プロフェッショナル・ポケモンゴートレーナー」。プロへのきっかけは何だったの?

I:配信開始日から5日後の火曜日にCraigslist(クレイグズリスト)*にある広告を出したの。「プロフェッショナル・ポケモントレーナー」として、1時間20ドル(2,000円で)教えますって。その時点で トレーナーレベル15に達してたから、ポケモンを副業にできないかなと思ってたのね。

*Craigslist(クレイグズリスト)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにて運営される世界最大のクラシファイドコミュニティサイト。求人、不動産、出会い、個人広告、会議などカテゴリーも多岐に渡る。

H:5日でレベル15とは。早い。

I:その投稿後、たったの3時間で「あなたは誰?なんであなたはベストポケモンゴートレーナーなの?」なんて連絡が来まくった、メディアも含めて。てか、一度たりとも“ベスト”・ポケモンゴートレーナー」なんて言ってないんだけどね(笑)。

H:プロフェッショナル・ポケモンゴートレーナーのアイデアはどこから?

I:どうやったら楽しいことでお金を稼ぐことができるんだろうとはもともと考えていたのね。そしたら、こうなっちゃった。事実、人生でいまが一番お金も稼いでいるしね。

H:ポケモンで人生で一番稼ぐって、誰でもできることじゃないですよ。

I:これまでのジャーナリズムの経験がとっても生きていると思う。他の人より少しだけポケモンに詳しくて、ジャーナリストという仕事柄、何か一つのことをリサーチすることも得意なの。
だから毎日ポケモンゴーについて沢山のリサーチしたわ。できる限り良い「ポケモントレーナー」であるためにね。

H:最初からお金になるって見込んでた?

I:ビデオゲーム産業ではプロフェッショナルゲーマーとしてお金を稼いでいる人が沢山いるからね。だからアイデア自体は、ビデオゲーム産業にとってはまったくもって目新しいことではない。ポケモン産業にとっては少し目新しいものだったかもしれないけどね。
90年代にはいまほどインターネットで自分を売り込むことができなかったっていうのもあるのかも。インターネット最高。

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H:実際どんなサービスなんですか?

I:私のアイデアはいたってシンプルで、クライアントのポケモンゴーIDに私がログインして、街を歩いて遭遇するポケモンをゲットしていくって仕組み。
それから面白いスクリーンショット送ったり、1時間に一回状況報告を送ったり。言うなれば「アイビーと一緒にポケモンゴーを進めていく」サービスね。

H:それは「あなたの代わりに私がポケモントレーナーになりますよ」っていう、代行サービスってことでいいのかな?

I:そうね。だから忙しいビジネスマンだったり、外を歩き回ることのできない人だったり、デートの間だったり。そんな人のために1時間20ドル(約2,000円)で私があなたの代わりにポケモンをゲットしてレベルアップしますっていうサービスよ。

H:なるほど。

I:私は以前キャット・シッターの経験もあったから「ポケモンのお世話」はとってもいいアイデアだと思ったの。あなたのペットでなく、あなたのポケモンをお世話しますって。

H:お客さんの反応は?

I:それが、話は戻るんだけど、クレイグズリストに広告を載せて3時間で400件以上のコンタクトがきたの。

H:400件も?

I:寝る時間もないほどに次々に。スケジュール調整不可能なレベル。でね、最初は「20人ほどのチームを作って対応しなきゃ。プロフェッショナル・ポケモンゴートレイナー・エージェンシーを作ろう」なんて考えたりもしたんだけど。いくつかのコンタクトに「これは完全に Niantic(ナイアンティック、ポケモンGOを制作した企業)の規約に違反している」っていうものがあって、規約を読んでみると私がやろうとしていることは規約違反だと明白だった。

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H:なんと。

I:規約違反で大好きなポケモンを楽しめなくなるのは絶対嫌だった。だから、投稿してから24時間後にはプロフェッショナル・ポケモンゴートレーナーを退職したわ。だから実務はしていないの(笑)。

H:あれ?でもいま、ポケモンで人生でいちばん稼いでるっていうのは?

I:メディアからも連絡がきていて、投稿2日後には本の出版の契約も結んだの。
「これからもっと沢山の人が君に出版の話を持ってくると思う。だから、僕らが君にとって一番の契約を提示するってことを知らせたい」って朝の7時から近所のカフェで朝食をとりながら出版社の人と話をしたの。

H:話がめちゃくちゃ早い。つまり、ビジネスの話が持ちかけられたってことですね。どれくらいきました?

I:3日間で5件。出版の話をいただいたわ。

H:退職の二日後にはプロフェッショナル・ポケモンゴートレーナーに再就職!そんなプロフェッショナル・ポケモンゴートレーナーとしての難しさ、教えてちょーだい。

I:とてもシンプルなんだけど、ポケモンゴーをプレイする上で、「歩く」そして「プレイし続ける」ことが一番大事なの。私たちの週末過ごし方は1日12時間以上歩き回ってポケモンゴーをプレイ(笑)。

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アイビーちゃんを探せ。

H:週末の12時間勤務!

I:常に目の前のポケモンをゲットする。それがどんなにレベルの低いポケモンでも、あなたがそのポケモンをすでに300匹持っていようとも、ポケモンを強く育てる上でとても重要だから。沢山歩かなきゃいけないし、あなたが遭遇したポケモン一匹残らずゲットしなきゃいけないし、プロへの道はそう容易くないわ。

H:終わりなき戦いですね。ちなみにニューヨークでのポケモンスポットは?

I:セントラルパークのいままさにこの場所はとっておきのスポットね。だから今日ここにきてもらったの。最低でも2〜300人のポケモンゴープレイヤーがいまこの時間、この場所にいると思うわ。よく深夜1、2時まで私たちもここでポケモンしているんだけど、その時間になってもポケモンプレイヤーは絶えないわね。

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これ全員ポケモントレーナーです。

H:確かに周りの人みんなポケモンゴーしてる。ポケモンをゲットしに行く際の必需品教えて。

I:絶対欠かせないのは携帯充電器は最低2つ以上。夏は日焼け止め、あと普段の生活の3、4倍は歩くから水分補給も欠かせないわね。普段みんながランニングだったりハイキングするときと同じようなものが必要ね。
他には…常に帽子もかぶっているわ。頭を守るっていうより、日光の下でも携帯画面を見れるようにね。

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充電器、いっぱい。
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眩しくても帽子があれば大丈夫。

H:日よけじゃなくてスクリーンのための帽子なんだ。勉強になります。最高に嬉しいかったこと、一番の失敗を教えて!

I:最悪な瞬間だったのは世のポケモンの中で私の一番好きな“ペルシアン“のために捧げた1日。どうしてもとっても強いペルシアンにしたくて、一日中ニャースを探しまわった。
その時思ったの。「なんで一日中ニャースを探して回っているんだろう」って。最終的にペルシアンを一度もバトルで使うことはなかったし。とっても時間の無駄遣いだって、すごく悲しくなっちゃった。

H:ふと我に帰る瞬間、あるんですね。

I:最高にハッピーだったのは、ここからすぐ近くの場所で見つけたレベル1516のヤドンとの遭遇。そこにいた人みんなパニック状態で必死にゲットしようとするんだけど、誰もできなかったの。でも「ヤドン、ゲッドだぜー!」したの、私(笑)。

H:すごい(笑)。やっぱりポケモントレーナーの間でアイビーちゃんは有名人?

I:うーん。有名かどうかは分からないんだけど、最近、電車や街中で「プロフェッショナルポケモンゴートレーナーでしょ?写真撮って!」って声かけられることは沢山あるわね。

H:ポケモン・セレブリティですね。他のポケモントレーナーとはよくハングアウトするの?

I:もちろん!だってそれがポケモンゴーのヒントを得る手段。それぞれのプレイ経験から得た知識だったり秘密の場所を知っていたりするの。私が知っているほとんどのヒントだって周りのポケモントレーナーから集めたものなんだから。

H:あ、じゃあポケモントレーナー同士の交流は珍しくないんだ。

I:ポケモンゴーを通して、知らない人同士が路上で繋がるケースが沢山ある。コミュニケーションツールの一つになっていると思うわ。

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実際のポケモンパーティー。
Images by Kohei Kawashima

H:周りがあってこそのプロフェッショナルということですね。では普通のトレーナーとプロの違いはズバリなんでしょう?

I:ポケモンゴーの構造をしっかり理解できているのかということじゃないかな。どのポケモンもIV(個体値)があるから、それはしっかり知っておく必要があるわね。これはネットで調べれば出てくるから、みんなチェックしてみて。

H:僕も友だちに教えておきます。

I:パーフェクトなモンスターに会うまで歩き続ける。それと、ポケモンゴーの背後にある数式と統計をしっかり理解することね。

H:もはや子どものゲームではない気がします(笑)。なぜ社会現象が起こるまでに、ポケモンゴーが人々を魅了すると思う?

I:私たちの世代はポケモンとともに幼少期を過ごした人が多い。ポケモンが生まれて20年、私たちは大人になって仕事もあればお金もある。そこで生まれたのが完璧なタイミングだったんだと思う。バーチャルリアリティという点でも、これからのゲームの未来の先駆けとなるものだと思うし。外に出るきっかけになるゲームっていうのも魅力じゃない?

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実際のポケモンパーティーその2。
Images by Kohei Kawashima

H:プロフェッショナルポケモンゴートレーナー、アイビーちゃんの将来像を教えてください。ポケモンに捧げるのかな?

I:とりあえずはね(笑)。ちょうどいま、これから出版されるポケモンゴーに関する本を2冊終えたところ。ポケモンゴーがアップデートされる度に、新たな取り組みもできると思っているわ。
Gamer Sensei(ゲーマー・センセイ)っていうスタートアップがあるんだけど、初のポケモンゴーセンセイとして登場するの。ポケモンゴーのユーチューブガイドビデオも制作予定だわ。

H:おおー!センセイ!

I:将来的にオンライン英会話教室ならぬ、ポケモンゴー教室なんかもできたらなって考えているわ。「プロフェッショナルポケモンゴートレーナー」として世界中も回ってみたいわ。これから出版される本がうまくいけばなんだけど(笑)。

H:うまくいくことを願っています!では近い将来、「プロフェッショナル・ポケモンゴートレーナー」として来日する可能性もあると。

I:日本に行きたい!15歳のときに一度訪れたきりなの。日本に戻れる日を心待ちにしてるの。国によってポケモントレーナーの持つ「違い」なんかもあると思うから、是非「ポケモンプロフェッショナルトレーナー」として他の国に行って見てみたい。

H:「プロフェッショナル・ポケモンゴートレーナー」としての哲学、そしてあなたにとってのポケモンとは?

I:とっても正直にプレイすることね。ポケモンが好きって気持ちに正直に。法を犯すことなく。それから私、課金も絶対しない。

H:トレーナー、そしてゲーマーの鏡です。

I:課金せずにひたすら歩いてアイテム集めるのよ。外に出て歩き回って、他のポケモントレーナーと出会い、ポケモンゴーを純粋に楽しむ。
近所に住んでる8歳の男の子がいるんだけど、彼は物凄く強いの。誰も太刀打ちできない。

強いポケモンを持っているポケモントレーナーという点では、私より凄い人なんて世界に何万といると思うんだけど、私はただみんなに楽しくポケモンゴーをプレイしてもらう。その手助けをできる限りしたいと思っているの。それはまさにAsh(アッシュ、サトシのこと)そのものだと思うの。

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H:ポケモンだけでなく、人生も教えてくれてるような気がします。ボーイフレンド、ヴェンダーくんさえも知らない、誰も知らないアイビーちゃんの秘密を教えて。

I:実は、私の兄は私よりずっーとポケモンゴーを上手にやっているの、すべての点において。だからよく彼に電話して、ヒントをもらったりしてるのよ。
そしたら「俺の方がもっと沢山ポケモンゴーのこと知っているのになんでお前が有名なんだよ!」って(笑)。

H:家族が秘密兵器なんだ。では最後の質問です。僕たちの世代、ミレニアルズに関する何か一言、お願いいたします。

I:ポケモンゴーが配信された当初、「オー!ノー!ミレニアルズ世代はいつも携帯ばかり見てダメだよ」なんて批判をよく耳にしたんだけど。でも実際、ポケモンゴーのおかげで若い世代が外に出るようになった。ポケモンゴーに見てとれるように、これからバーチャルの世界とリアルな世界の境界がなくなると思う。
だから、ミレニアルズがいま何に興味を持っているのかを、上辺で批判せずに知ることこそ先の未来を知ることになる。それをしっかりと、上の世代は認識して欲しいかな。

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アイビーとポケモントレーナーたち。

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Aonisai 003: Ivy
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Ivy Saint Ive(アイビー・セイント・イブ)
1991年生まれ。フリーランスのジャーナリスト・編集者として活動しながら「プロフェッショナルポケモンゴートレーナー」として日々をポケモンに捧げる。
近日、「プロフェッショナルポケモンゴートレーナー」として参加した2冊の本が出版予定。
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Photos by Mihee Suh
Text by Shimpei Nakagawa Edited by HEAPS

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