True Love / Talk No.9 「人間の性ってやつ」

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Issue 13 – True Love / Talk No.9 「人間の性ってやつ」

Talk No.9「人間の性ってやつ」

日々、闘いつづけるニューヨークの女たち。そんなタフガイのような彼女たちを365日にわたって悩ませる、最もやっかいな敵とは「生理現象」かもしれない。男たちが女に抱く「幻想」を守る女たち、とびきりの一夜のために、ときには化粧室の手洗いシンクにだって、またがってみせる。

美しさ。
それは、やっかいな体を抱えた女たちの、
たゆまぬ努力の賜物である…

 オスという生き物は、狙ったメスとの交尾を勝ち取るために、他者よりも優れていなくてはならない。そう、自然界の掟だ。例えば熱帯雨林の鳥たち、ダンスのうまいオスほどメスの気をひくことができる。ニューヨークは、というと、男も女もどちらも他より秀でるため、とんでもなくハイレベルな闘いを繰り広げている。女たちの品定めに適うには、男たちは高級車を買い、ミッドタウンの高級レストランに連れていき、優しくつくす態度に徹しなくてはならない(セックスするまでは)。

 比較的、女たちのパフォーマンスの方がシンプルかもしれない。餌は簡単、ヒールとミニスカートできめ、アパートはいつも小綺麗に保ち、ウィスキーなんかを家に常備しておく(気の利いてる女アピール)。これだけ。でも実際は、この“女性のあるべき姿”を「いつでも保つ」って案外骨が折れるもの。第一、男は女に幻想を抱きがちだと思う。「おならもゲップもしない」、「うんちも臭くない」、「汚くない」だとか、全くもって真実ではない。でも少なくとも、つき合い始めはその幻想をなるべく壊さないようにしてあげようと努力することは大事。でもむしろ、実際は、女性に起こる「生理現象」は、男性のよりずっときもちわるかったりする。女たちが、美しくいつづけるためにしている惜しみない努力に、感謝してもらえたら、と常々思っている。

「リンティ・ブッシュ」〜ゴミだらけの茂み〜

 夏、働きづめの一日の終わり、私たちのおしりとアソコは、なんだかかぐわしい匂いを漂わせる。熟しすぎたチーズのような。だから、できればそんな日のデートは避けたいし、彼に後ろから抱きしめられ、そのまま愛の行為に流れそうな時にはもうこの世の終わりかってほどに焦る。デート前にシャワーを浴びてる時間なんてないのが現実だが、狙った彼とのデートは逃したくはない。じゃあどうしてるかって?そこはニューヨークの女、「アソコをちょちょいとキレイにする」術だって、もちろんいくつか用意している。

 私の友達は、レストランにいる間にトイレに行くといって席をたち、旅行用ワイパーでちゃっとキレイにアソコを拭う、という。これが一番文化的な方法だと思う。他には、予期してなかったデートでワイパーを持っていないとき、彼の家でトイレを借り、自らの手でアソコを洗い清め、置いてあるフェイスタオルでアソコを拭く、という友達もいる。でも、もちろんそんな時も親切心は忘れない。かけてあるタオルを広げて、タオルの「内側」でアソコを拭い、終わったらその部分がまた内側になるようにしてかけ直す。そうすれば、「朝、彼がその部分で顔を拭いちゃう」なんてことは起こらない。女性ならではの細やかな配慮だ。一番衝撃的な方法に出くわした私の友達の話。その友達はある日トイレに行ったら、手洗いシンクにまたがってアソコを洗っている同僚に遭遇。その同僚は、「アソコの匂いがキョーレツ」と噂されている女の子だったから、内心その同僚がアソコを洗っていることに、さして驚きはしなかったという。その光景を見つめる彼女に対して、その同僚はこう言い放った。「何よ?しょうがないじゃない、トイレットペーパーでアソコを拭くなんてありがちなミスしたら、アソコのかすみたいにパンツに残っちゃうんだから!」

「ブラッディ・ヘル」〜血まみれの悪夢〜

 私たちが生理のとき、感情的になって、イライラして、精神的に嫌な女になるだけでなく、肉体的にも「嫌」な感じ。ナプキンを使う女性たちは、「多い日」なんかは一日中、足の間に丸まったオムツを挟んでいるようなものだ。誰もが一度は自分に問いかける質問は、「絶対これカサカサ音してるよね?しかも、絶対ふくらんでモッコリして見えるよね?」。まあしかしタイトなジーンズを履けば、問題は解決。「夜の悩み」となると、ジーンズは助けてくれない。生理中にセックスをするのを嫌がる女性は多く、そうなると自動的に生理期間=フェラチオ週間となる。軽い日にタオルを下に敷いてならセックスできる、という女性や、生理中ならではの生々しいセックスが大好きというモノ好きも、時々いたりするが。生理中のセックスによる血まみれの惨事を避けたいなら、暗い部屋で、彼がフィニッシュした瞬間、アレを根元から握りしめて、手前に血を拭いとってあげる(拭った血は自分の太ももとかで拭うことになるんだけど)。そうしたら彼が血まみれのアレを見なくてすむから。女たちの細やかな気配りは、つらい生理中にだって行われているのだ。

「シューッ…」〜静かな囁き〜

 どうにもならない女の生理現象といえば、「アソコのおなら」だと思う。本当に奇妙な現象だと思う。音もくちびるを合わせて出す「ブ〜ッ」にそっくりだし、とにかく鳥肌がたってしまう。しかも、普通のおならのように、「体の内側に留めて殺す」こともできないので、よりやっかいなのだ。彼の一生懸命すぎるピストン運動のせいでよく起こる現象だけど、予測不可能なこのおならは、あなたが何をしていようと起こりえる。私たち可哀想な女子たちは、かよわいアソコが括約筋をもたないため、このおならをどうにもコントロールすることはできず、たびたび恥ずかしめられている。

 普通のおならをごまかす方法ならたくさんある。私の友達は、おならと同時に咳をしてごまかしたり、彼といるときはファンの風下に移動し、日々おならの元となる食べ物をセーブしている。もしもおならをしちゃったときは「いきなりセックスやフェラチオを始めて彼の気をそらす」のがベスト。そうしたらさっきのおならなんて気にしてる余裕などないのが男だから。

 でも、とっておきのベストな方法は、私の友達が母親から継承されたもの。まず、その母親は、おならの音が発生する原因から説いた。「おしりの穴が、空気によって振動しているからだ」と。原因が解明すれば、解決策を生みだせるのが人間だ。トイレに行き、両手でおしりを思いっきり広げて、おしりの穴が開いた状態にし、空気の通り道をつくってあげればいいのだ。そうすると、まるで優しくシーッと囁かれているように、「シューッ…」と空気は漏れていく。もし彼が隣で寝ていて、おならの音で起こしたくなかったら、ちょっと端へ転がっておしりをもちあげてシューッ…とすれば良い。

 私のような女は、「人間は人間」と考えていて、女だろうが人間誰でもおならもうんちもして、病気のときは痰も出るし、生理付近のときはアソコからぽろぽろかすが出るし、そういうのはとにかく汚くても仕方がないって半分開き直っている。そんなに悩むべきことじゃないと思ってるから。汚いものに対して、少しオープンになってもいいときもある(私の弟みたいに、握りっ屁を人の顔の前で放つなんてことは勧めないけど)。パートナーとは、仲の良い友達同士のようにだってなれる。でも、やっぱり女性には、いくら親しい関係を築いていても、最低限のプライバシーは欲しい、という人が多いもの。ドアは閉めておき、開けるときはノック、とか。

 実は、「彼女とは仲の良い友人同士のようになりたい」と考える男性は多くいると聞く。一緒に豪快にビールを飲み、夜な夜な賭けに繰り出し、大胆なセックスをできる相手を求めている。しかし一方で、やはり女たちを汚いものと無縁の「女神」だと崇める男たちは、いつだって存在する。何にせよ、人間の生理現象を隠すための奇妙な行動は、私たち人間はいつだって「人間の性」に踊らされてるってことなんだろう。

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