Talk No.5「ネットで出会った男たち」
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Issue 09 – True love / Talk No.5「ネットで出会った男たち」

「どうしようもないオンナ」と世間に引かれてしまうのもなんなので、私よりもっと身の毛もよだつようなデートをしている、愛する友人の話をしたい。私の“戦友”、ラナとヨーコは、今回、オンラインデートへの参加を買って出た。もちろん、今後の「Mr.パーフェクト探し」に役立てるためのリサーチとして。

本題に入る前に、アメリカのオンラインデーティングのサイトについて少し触れておこうと思う。それぞれのサイトには差別化を計るために、各々セールスポイントがあるみたい。

eHarmony: 超真剣。子種探しといっても過言ではない。

Match.com: 「割と真剣に彼氏探してます」という人向け。後腐れ無い程度の、同時に真剣な関係を育める相手を探すのに最適。

OkCupid: 気楽な感じ。20代、30代のシングルでセックスを楽しみたい人向け。

JDate: これは「聖杯」とでも呼ぼうか。お金持ちのユダヤ人の夫を捕獲するため。

 これらのデーティングサイトは、「あなたのソウルメイトを探します」と謳っている。深層心理を探る簡単なクイズに答えさせ、それを「遺伝的アルゴリズム」に当てはめて、登録者が本当に求めている「愛すべき理想の相手」を割り出してくれる。そして、それぞれにぴったりの男性(か女性、もしくは両方)のリストを送ってくれる。だから、「オンラインデートは、実際に会わずしてデート候補を絞るのにはもってこい」と話す人たちもいる。プロフィールで基本的な情報(ルックスはもちろん学歴や年収など、一番気になる情報も公開されている)は得られるし、チャットで事前に連絡を取りお互いのことを十分知ることもできる。なんといっても「手っ取り早い」ことがデーティングサイトの魅力だという。ニューヨーカーは忙しすぎて、最初の「お互いを知り合うためのデート」を面倒くさがる人も少なくはない。セックスで「化学反応」をもたらす可能性があるかどうかを判断するのに、その男性の乳首とアソコの写真だってチェックできるっていうんだから、「手っ取り早い」ことは明らかだ。そう考えると、オンラインデーティングサイト上の自分の写真は、心理テストで割り出した遺伝的アルゴリズムなんかより需要だと思う。もし私がオンラインデートに参加するとなったら、完璧なプロフィールを作るために、プロのフォトグラファーとヘアスタイリスト、メイクアップアーティストを雇う。誤解しないでほしいが、私はこういったデーティングサイトを決して軽蔑してるわけじゃない。現にこういったサイトで出会って、今もつき合ってるカップルが周りにいるし、幸せを掴んで結婚した人たちだって知ってる。しかも、あるカップルなんて、「Craigslist」っていう生活情報掲示板で出会ったんだから!お互いがお互いにとってパーフェクトだったんだろうと思う。でも、想像以上に思いがけないことが起こるのもオンラインデーティング。いいのか、悪いのか…。

 さあ、本題に入りましょうか。準備はいい?ラナとヨーコのリアルなオンラインデーティング体験談のはじまりはじまり。

1: 矛盾だらけの写真家  男は、ビールを持ってきてくれた。いい感じじゃない?とラナは期待した。隣に座って話しだしたと思ったら、男は急に、「女は自分の得意とすることしか話せないから退屈極まりない」と文句を言ってつっかかってきた。一方で、自分は写真家なのだとポートフォリオをちゃっかり広げて見せて、得意げに一晩中話し続けた。「退屈極まりない」って、そのまま言葉を返してやりたいとラナは思った。さらに声のボリュームがあり得ないくらいでかかった。感情的になったり、イライラしてる感じでもなさそうな時も、とにかく常にボリュームマックス。「これが彼の生まれつきの声のボリュームなのか」。もしそうだとしたら、「一緒に暮らす=声の圧力を常に感じる&耳がおかしくなる=ストレス過多」なんて、そんな人生は苦しすぎる!ひっきりなしに自分に向かって怒鳴り続ける男、想像できる?しかも、セックスの最中も、セックスの後もずっと同じ調子。こんな男を両親に紹介しに実家に連れていくなんて絶対に出来るわけがない。結局その夜は、ビル中に響くようなうるさい口論が続き、ラナはヘトヘト。しかも、内容は本当にどうでもいいことであきれる始末。こういうタイプの男たちって、自分の欠点が何なのか全く認識できない自分大好きな勘違い男が多い。2度目のデートに発展しなかった時は「どうしてダメだったのか」っていう理由を必ず自分の都合のいい方向に考えるから、これまた手に負えない。とにかく、イカれてる人たちって自分がイカれてるってことに気づいてないのだ。

2: 沈黙の博士  この男は前出のうるさい男とは全くの正反対。彼は、なんだか好奇心をそそるタイプで、魅力的だった。最初のデートではラナを飲みに誘った。ラナがバーに着くと、男はテーブルに大量のカードと2本のペンを並べて笑顔で座って待っていた。彼のいうところの「サイレントデート」というものらしい。その名の通り、言葉を発してはいけない。お互いにだけではなく、ウエイトレスにも。デート中のすべてのコミュニケーションがこの大量のカードと2本のペンを介して行われた。私の推測だけど、サイレントデートの理由は、A:人前では話せないほど話が下手、B:とにかくシャイ、C:実はシマリスみたいな高い声をしている、の三択。今となってはもう知りようがない。ラナはその時ばかりはうまくやってのけたけど、2度目のデートは断わざるを得なかった。ごく普通に話したっただけなのに叶わなかった悲しいデート。

3: ヘイ、デュード!  その男は38歳のコンサルタントで独身だった。ヨーコは「なんでこの人がまだ独身なんだろう」と不思議に思ったという。だって彼はいい職業の上に身長も高い、愛想もいい。彼はロングアイランド出身で、気さくで、話も面白かった。典型的なアメリカ人男性といったところ。彼はヨーコをフレンチのレストランに誘った。しかししばらくすると彼は、ヨーコのことを「デュード!(気の置けない男同士や仲間に使うスラング)」と、ことあるごとに呼び始めた。そして、男同士のようにヨーコの肩を軽く挨拶程度になぐった。デュード?ヨーコが?ヨーコはニューヨークで最も「デュード」っぽくない女性らしい女性だ。もし彼が、「ツレ」が欲しかったのなら、「match.com」の「男同士」のセクションで探すべきだったんじゃないの?サイトの使用目的を履き違えた?ヨーコは最初の何発かに対しては笑って対応したけど、止みそうにないパンチの連続についにはブチ切れ、そのデュード野郎を突き飛ばして、彼を置き去りにした。彼、「デュード」がいなくなって、よほどさみしかったことだろう。

4: 乳首ねじり野郎  「乳首ねじり野郎」は、ヨーコをオシャレな寿司屋に連れていった。彼は超ホットで、36歳でマンハッタンにジムをいくつか経営していると話した。待ち合わせは最高級の寿司屋「メグ」。彼はものすごくピチピチの白いTシャツを着ていた。自慢の筋肉を見せつけるには、この上ないグッドチョイス。二人はカウンターに座って「おまかせコース」を頼んだ。日本酒を少し飲んだあと、彼はいきなりこう聞いた。「ねえ、黒人とセックスしたことある?」。ヨーコ、唖然。「は?!ないけど?!?!」と答えると、「アジア人の女の子はみんな黒人とのセックスが好きだよねー。みんなアレがデカいから!」と言い出した。彼女はまさか最初のデートでこんな会話をするなんて思っても見なかった。そんなのお構いなしに続ける彼。「僕も、なかなかいいの持ってるよ?触ってみなよ!」と、彼は彼女の手を、彼のアソコの上に持っていった。彼女は死ぬ程恥ずかしかったに違いない。この最悪なデートを「史上最悪」にしたのは、彼の寿司の食べ方だった。彼はワサビ入りの寿司を一口食べるごとに自分の乳首をつまんで捻り、「くうぅ~!ワサビのせいで乳首が固くなっていくぅ~!」と目を閉じ、ハアハアしながら言うのだった。ヨーコはすぐにでもその場を去りたかったに違いない。だって、「メグ」でこんなことするなんて、誰が信じられる?乳首ねじり野郎は、「メグ」の真ん前に止めておいた彼の赤いポルシェで「僕の家に帰ろう」と、ヨーコを家に誘ったが、もちろんヨーコは断った。ヨーコは「自分の品を落としかねない。それに、私の乳首を守らなきゃ!」と、タクシーに飛び乗って、自分の乳首が無傷のうちにその場から逃げた。次の日、乳首ねじり野郎はヨーコに、「セックスしなかったんだから、寿司のお金、半分払ってよ」と言ってきた。さっさと終わらせたかったヨーコはただ、「請求書を送って」とだけ言った。言葉が出なくなってしまうほど、残念な男との一晩だった。

5:「コックリング」をしたフードトラックのシェフ  この男はオンラインデーティングサイトの使い手だった。システムを何よりも愛し、ひっきりなしに女性にメッセージを送り、イヤらしい会話をしては、おっぱいの写真をゲットしていた。彼がラナに見せた「彼のアレ」の写真はなかなか素晴らしいものだったけど、ラナは何かキラリと光るものが見えることに気がついた。彼のアソコの付け根には、何だか中世の貴族がしているようなアクセサリーがついている。グーグルで調べてみること小一時間、それが「コックリング」というものであることが判明。中世の王子がしているような「ブレスレット」なんかじゃなくて、本当に「ペニス用」だった。アクセサリーというか、締め金といった感じ。ペニスに血が十分に行き渡らないようにし、より固く、より感度を良くするために使われるらしい。彼はアクセサリーのように着けてキメていたが、ただただ「痛そう」で、ラナは「こんなの他に誰がするわけ?!」と思ったという。ラナは彼のその「異物」を「ボーイフレンドの個性」と考えてあげようと努力した。しかし「あなたに会うのが待ちきれないわ」と伝えると、彼は「僕も、君が僕の顔の上に座るのが待ちきれないよ!」と返してきた。「どうしようもない」ヤツがいるのが、世の常…それにしても、本当にとんでもないヤツだった。

 今時、SNSやオンラインを通じて運命の人に出会うなんて珍しくないのは十分承知だし、たくさんの成功例も見てきた。でも、でも!!肝に銘じておくべきことは、「お宝にたどり着くまでには、たくさんの罠をくぐり抜けなければならない」ということ。そして、オンラインデーティングを経験したラナとヨーコの体験談から学ぶべきことは、「オンライン上の情報だけじゃ分からないこともいっぱいある」ってこと。すべては「Mr.パーフェクト探し」のため、愛するガールズ達は今日も忙しいニューヨークで新しい出会いを求め、真剣に向かい合っている。そんな彼女達がいつか「真実の愛」を掴むことを願ってる。

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