【Editor’s Pick】大手メゾンは彼のレザーを欲しがる。“Leather king”という男
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Chrome HeartsやRalph Laurenなど、有名ブランドのレザーはどこから来るのか?
ニューヨークのLibra Leatherは数々の大手メゾンが信頼を寄せるレザー専門店の一つ。そしてここのオーナーこそ、自らを「Leather King」と名乗る男。
Mitch Alfus(ミッチ・アルファス)、とんでもなくイカした親父である。

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Kingの名にふさわしい男

「タバコは好きじゃないんだ。味が嫌い。でも何か口に入れてないと落ち着かなくてね」とくわえた葉巻きがよく似合う。火が消えそうになったのでカメラマンがライターを差し出すと、「いや、葉巻きにライターは向かない。マッチを使わないと」との返事。Leather Kingと呼ばれる男には、その名にふさわしく、言動、ポリシーのすべてに趣がある。
「誰がLeather Kingって呼びはじめたか?俺だよ。それからみんなが呼びはじめたのさ」。葉巻きの煙に覆われたその姿は、誰だってそう呼ばざるを得ない迫力に満ちている。

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南米がくれた、刺激と情熱

 いまでこそ、Leather Kingの名にふさわしい風貌の彼だが、以前はさわやかなイメージのテニスプレイヤーを目指していたこともあったという。しかし、テニスでは十分な稼ぎが持てないと、1997年、彼は父親がデザイナーとして拠点を置いていたアルゼンチンへと渡った。
 南米で過ごした2年間、そこで味わったパイプや伝統は、彼のレザーへの情熱を強く刺激した。

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 そうして南米から返ってきた後、彼はファッションデザイナーにレザーを売る仕事をはじめた。しかし、当時の業界で使われいたレザーの質に疑問を感じた彼は、より良いレザーを求めてヨーロッパを旅することを決意。そこで待っていたのは、布地のようにドレープができたり、もっと幅広いデザインを展開できるようなレザーとの出会いだった。以来30年以上も、Libra Leatherはイタリアやスペインから仕入れた上質なレザーを全米に提供し続けている。

クロムハーツとの友情

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 彼が世界中から集めてくる多種多様なレザーに惚れ込むデザイナーは数多く存在する。Chrome Heartsのデザイナーであるリチャード・スターク(Richard Stark)もそのうちの一人だ。「リチャードがChrome Heartsを立ち上げる前から友達だよ。彼が創った最初の革製品は俺のところのレザーなんだ」と、Chrome Heartsファンにはたまらあいレア話も。
 バイク好きのリチャードからバイクを教わって一緒にツーリングに行ったり、リチャードの友達を紹介してもらったりと、よく遊んだ。

「彼は俺の探してきたレザーに感謝してるし、俺も彼の想像力を尊敬しているし感謝しているよ」。そう語る彼の腕や指には、Chrome Heartsのジュエリーが輝く。

いい男はいい女に弱い

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 しかし、そんな強面な印象の男もプライベートの顔は別。現在60歳の彼は、驚くことに24歳の息子、22歳と5歳の二人の娘の父親でもある。

「オフの日には5歳の娘がやりたい遊びに付き合うよ。彼女と過ごす時間が一番大切なんだ」と、それまでとは打って変わった優しい笑顔を見せる。とはいえ連来は未だ現役で、現在は25歳のガールフレンドと交際中だ。

「彼女とはイベント会場で出会ったんだ。インタビューアーとして俺にインタビューしてきてさ、どこから恋愛が生まれるかはわからないものだよね」と照れくさそうに話す。春夏秋冬と季節や気温に関わらず365日レザーを縫い、家やオフィスのインテリアにまでこだわるのレザーアイテムを揃える彼だが、オフィスの窓際には愛する子どもたちの写真が飾られていた。
 好きなモノをとことん慈しみ、周囲に多くの愛情を注ぐ。自らをLeather Kingと呼ぶ男、生き様までKingそのものだった。

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Photos by Omi Tanaka
Text by Yo Sato
〈 HEAPS Issue 6より。2013年9月発刊〉

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